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リスクに応じたバリデーション計画の立案について ~ 第678号 ~

バリデーションでは何を検証したら良いか?

> お客様からバリデーションの計画に関して、こんな話を良くお伺いします。

改正GMP省令により、「バリデーション計画書」への記載が要求されている “バリデ ーションにより検証しようとする事項” が分かりづらい。

※ 明確にお答えすることが難しいご質問内容ですが、まずは、バリデーション計画で求められていることから考えてみたいと思います。

バリデーション計画で求められこととは!

> バリデーション計画の立案では品質リスクマネジメント、とりわけ品質に対する潜在リスクをハッキリさせる必要があります。

改正GMP省令

   ・・・前略・・・

21.第13条(バリデーション)関係

(1) 医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせるバリデーションに係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、バリデーションの対象となる構造設備、手順、工程等に関して熟知している職員を当該バリデーションの責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。

① 第13条第1項第1号関係

バリデーションを行うに当たっては、GMP省令第3条の4第1項の規定による品質リスクマネジメントの活用及び同令第11条の3第1項第1号の規定による製品品質の照査とともに、本通知の第4の2.のバリデーション指針又はこれと同等以上の海外のガイドライン(例えば、PIC/SのGMPガイドラインのアネックス15及び関連する推奨文書PI 006“VALIDATION MASTER PLAN, INSTLLATION AND OPERATIONAL QUALIFICATION, NON-STERILE PROCESS VALIDATION, CLEANING VALIDATION”等)を参照することが求められる。

   ・・・後略・・・

医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について(薬生監麻発0428第2号)(令和3年4月28日)

また、この品質リスクマネジメントに関しては以下の説明があります。

   ・・・前略・・・

6.第3の4(品質リスクマネジメント)関係

(1) 製造業者等は、品質リスクマネジメントを活用して医薬品品質システムを構築した上で、医薬品に係る製品について製造所における製造管理及び品質管理を要するものであること。

① 品質リスクマネジメントは、医薬品品質システムを構成する要素であるとともに、製造所において、医薬品に係る製品の品質リスクを特定し、製造手順等に対する科学的な評価及び管理を確立するために、製造業者等が主体的に取り組むものであること。製造工程の稼働性能及び製品品質の継続的な改善を促進するため、品質リスクマネジメントが有効な手法であることを考慮するものであること。

   ・・・後略・・・

ここで、令和3年の改正GMP省令が「医薬品に係る製品の品質リスクを特定」としている一方で、平成25年のGMP省令では「品質に対する潜在リスクの特定」としていました。「品質リスク」より「潜在リスク」の方が狭義でわかりやすいと感じたので、ここでは「潜在リスク」として考えます。

⇒ 即ち、バリデーションの計画では、品質に対する潜在リスクを全て洗い出して特定されていることが重要になると考えられます。

※ 実際の現場では、潜在リスクの洗い出しは、どのような状況でしょうか。直近のオレンジレターでは、リスク評価の不足事例が取り上げられていました。

バリデーション時に必要なリスク評価が不足していた一例

> 今年の1月、オレンジレターNo.12にその事例が公表されていました。

PMDA((独)医薬品医療機器総合機構) ORANGE Letter No.12 2024年1月

⇒ この指摘での重要なことは、「品質に対する潜在リスクを全て洗い出されているか」と結論づけされています。

※ 次に、その潜在リスクを確実に洗い出すひとつの考え方についてご紹介したいと思います。

潜在リスクを洗い出すには専門知識が必要です

> リスクベースで品質への影響度合いを確認するには、専門の知識が必要で、少なくとも4つの部門の関与が必要であると考えられます。

この打合せには、関連部門からの要求に応じて、他の分野の特定の専門知識を求めることもあります。
部門名 部門概要
製造部門 製品の製造や設備、装置のメンテナンスなどを担当する製造部門
品質保証部門 設備・機器が正常であったかを確認する品質保証
プロセス開発(生産技術)部門
研究開発で開発した製品の最適な工程の開発
エンジニアリング部門 コンピュータ機器、計装機器の設計あるいは選定するエンジニアリング

■ このような専門知識を持った部門で品質に影響を及ぼす潜在リスクを洗い出すことでリスクに応じたバリデーション計画の立案につながると考えます。

※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

▼ 「バリデーションの課題」についても「無料オンライン相談会」からご相談していただくこともできます。


※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。