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飲料製造・食品製造におけるバリデーション実務のサポート

飲料製造・食品製造とバリデーション

食品製造や飲料製造に関係する業界規格としては、主に、食品安全管理のガイドラインとして「HACCP」、食品安全マネジメントシステム規格として、「ISO22000」、「FSSC22000」の規格があります。

今回は、その3つの業界規格の中から、「ISO22000:2018」に関してバリデーションで何を実施したら良いか、まずは、その規格要求を見てみます。

飲料製造・食品製造において実施すべきバリデーションとは

実は、ISO22000の要求項目の中には、バリデーション実務に関する項目は登場してきません。

しかし、規格要求の内容を読み解いていくと、実際にはバリデーションが必要となる根拠が見えてきます。

バリデーションを実施するには、規格要求を読み解くことが重要です

実際の現場で規格要求からバリデーションをきちんと実現するにはどうすればよいのでしょうか?

IS022000:2018の要求項目 8.7 監視(モニタリング)及び測定の管理
組織は、指定の監視(モニタリング)及び測定の方法と機器が、PRP及びハザード管理計画に関して使用している監視(モニタリング)及び測定活動にとって、適切であるという証拠を提供しなければならない。

この要求内容を現場でどのように実施するかを決める読み解きが重要になります。
どこも開示していない、当社ならではの読み解き方の1つをご紹介します。

ISO22000にある要求項目の読み解き方

IS022000:2018の要求項目 8.7 監視(モニタリング)及び測定の管理
組織は、指定の監視(モニタリング)及び測定の方法と機器が、PRP及びハザード管理計画に関して使用している監視(モニタリング)及び測定活動にとって、適切であるという証拠を提供しなければならない。 a)使用前に、定められた間隔で校正又は検証する。

この要求項目では、監視(モニタリング)や測定を行うために使用している計測器の校正を行うことが主に要求されていますが、実は、もう一つ大事なことが要求されていると考えています。

ここでは、「指定の監視(モニタリング)」「適切である証拠」という2つの言葉に注目します。

「指定の監視(モニタリング)」とは何でしょう。

食品を安全に製造するため、製造中に製品自体の病原体を測定したり、製品の中心温度を測定したり、きちんと条件が達成出来るように装置の温度計やタイマなどの許容限界を決めて、製造中に測定するなど、どの手段で行うかを決めることです。

「適切である証拠」とは何でしょう。

例えば、1回で20個の食品の殺菌処理を行なう装置の場合、20箇所の内一箇所の代表点を定めるケースがあります。その理由は、この一箇所を製造中に監視(モニタリング)しておけば、他の箇所は逸脱しないという点を定めるためです。

この代表点を決めるために、装置の温度分布測定や、その結果に対する評価を行なうことが必要になってきます。

ここで1つ、食品業界では受注生産を行なう場合も多く、実際に殺菌処置を行なうにしても、必ず全数を揃えることが出来ないため、あらゆる個数を想定して、測定を行う必要があります。
しかし、殺菌処理20箇所に対して、20パターンの温度測定を行うことは、現実的には費用面も莫大になることから、ある程度決まった2~3パターンをSOPで手順化して実施していることもお聞きします。

このような事例から、「適切である証拠」を得るための手段として、こういった測定や評価が必要となりますので、バリデーション実務に関する項目はISO22000には記載されてはいませんが、医薬品業界などに要求されているバリデーションに近い内容のことが要求されていると思います。

さらに、ISO22000の要求項目 8.2 PRPでは、食品安全のための前提となるプログラムを決めて下さいと要求しています。その内容は、ISO/TS22002-1に記載があり、その中で圧縮空気の品質についての要求があります。

IS0/TS22002-1の要求項目

6.ユーティリティ

6.5項 圧縮空気及び他のガス類

製造に用いる、又は充填される、圧縮空気、二酸化炭素、窒素及び他のガス類のシステムは、汚染を防止するように造られ、及び保守されなければならない。

「保守」とは何でしょう。

食品は直接人の口に触れるため、きれいなエアーでゴミや埃、水などを吹き飛ばす場合が あります。しかし、そのエアーにも油分、水分、塵などがどうしても含まれてしまうことから、その圧縮空気(ガス)に、それらの成分がどのくらい含まれているのか測定を行い、その結果に基づいて、設備の改善などを行うことが必要になります。

しかし、この読み解きによってバリデーションに対して現場で何を実施していくかがはっきりしても、実際に実施しようとすると、様々な課題が生ずることが多くて、悩みに尽きないと考えます。

飲料・食品の製造現場でのバリデーションの実務には多くの悩み事があります

飲料・食品製造でバリデーションを実施する時には多くの悩み事があると思います。

バリデーション実務の内容を理解し、作業出来る人材が限られている。

バリデーションを実施するには、作業に関わることだけでも、標準器準備、手順書作成、校正、測定、評価作業を実施しなければいけません。
これらの作業を現場で確実に実施するためには、多くの知識が必要になることから、多くの人材を育成できないことは容易に想像できます。そのため、どうしても人材が限られてしまいます。

バリデーション作業の具体化策に不安がある。

装置に対する管理手段や内容はは決まっているものの、バリデーション実務においては、そもそもどう測定し、評価をおこなったら良いか判らないと、お客様からお問い合わせを頂くことがあります。ノウハウが分からないが故に、手順書の作成も心配の種になっていることもお聞きします。

食品製造業での圧縮空気等の品質測定は、どのように実施すれば良いのか分からない。

実際に、圧縮空気の測定は、製品品質上大事だと分かっていても、具体的にどうやって測定したらよいか分からない、また、実施してもらうための外注先がなかなか見つからないとお客様からお問い合わせを頂くことが多い状況です。

委託元監査で指摘を受けた。どうしたら良いか分からない。

前任者からの引継ぎが十分でなく、監査で指摘を受け、質問に対してしっかり答えることが出来なかったケースをお客様からお聞きします。また、作業を社内で実施しているが、その実施内容に自信をもって答えることが出来ないという声もお聞きします。
そのため、まずは要求されている規格内容を読み解き、作業の根拠をはっきりさせ、自社(自部署)のコントロール下におくことが重要だと考えます。

バリデーションを委託する専門会社がない。

バリデーション作業を外部委託しようとしても、色々な設備や装置などを専門的に実施している会社はなかなか見つからないのが現状と思います。また、仮にあったとしても、今後継続していくにあたり、コスト面で悩まれているお客様も多いと思います。

バリデーション実務での悩み事の原因

会社それぞれに環境や状況は当然違いますが、これらの悩み事が生じる原因を想定すると

バリデーション実務の知識不足

食品・飲料製造で現場視点でのバリデーションの実務知識をを知りたいと思っても、適当な教育機関や教育本もないのが現状だと思います。

バリデーションの作業に関しての技術不足

バリデーション作業に必要な技術は、電気・物理や計装など結構多くの技術が必要で全ての技術を習得することが難しい

人材不足

食品・飲料を製造するにはバリデーションが必要だが、直接、生産する作業でないため、最低限の人材でしか確保できない。

が主な原因てないかと考えます。

まとめ:飲料・食品製造における悩み事(関心事)と原因(背景)

飲料・食品製造における悩み事(関心事)と原因(背景)のまとめ

悩み事(関心事) 原因(背景)
バリデーションの知識・技能に不得手な部分があるため、全体の作業品質がアップしない。 〈知識不足〉
どこで勉強して良いか分からない
バリデーション作業の具体化策に不安がある。 〈技術不足〉
作業に確信が持てない
バリデーションを委託できる専門企業が欲しい。 〈技術不足〉〈人材不足〉
専門企業が探せない
コストが高い
バリデーションを理解し、バリデーション作業が出来る人材がかぎられている 〈人材不足〉
本業で無いため専任させれない
特定の担当者に作業の負担が偏って、残業時間が増加してしまう 〈管理不足〉
残業を少なくする対策が無い

提案:悩み事解決策

これらの悩みごとを現場に寄り添ってきたから当社だから提案できる解決策があります。

解決策はバリデーション実務の「外部委託」をお勧めしますので、原因解決のために外部委託を検討されてはいかがでしょうか。

ただし、バリデーション実務の結果が第三者を納得させられるかが重要になります。

バリデーション実務の悩み事の解決策 →

GMP・ISO9001・HACCP
計測器の校正