医療機器メーカへの部品製造設備にもバリデーションが求められる ~ 第674号 ~
医療機器メーカへの部品供給にあたり、バリデーションの実施を要求された!
> 最近、こんなお話がありました。
医療機器メーカーへの部品供給にあたり、納入先の会社からバリデーションの実施を要求されております。対応するための知識及びリソースが不足しており・・・
他にも、このような医療機器製造に関わる話をお伺いすることが増えてきたと思います。
※ ご存知のように、医療機器製造ではバリデーションが要求されていますので、医療機器メーカからはその部品などを供給している会社の製造設備にもバリデーションが要求されることは頷けます。
では、バリデーションではどんなことを実施したら良いかをご紹介したいと思います。
医療機器製造でのバリデーションとはどのような事を実施したら良いのでしょう
> ここでは、医療機器製造はISOのセクター規格になる「ISO13485」を取り上げ、規格要求をIQ、OQ、PQという言葉を頼りに纏めてみました。
■ 規格名:ISO13485
使用する装置の初めの設定及び必要なサービス提供
⇒据付け適格性の確認(IQ)として知られている。
プロセスが受入れ可能な結果を生み出すことの立証及びプロセスパラメータの限界(ワーストケース)を確立する
⇒運転性能適格性の確認(OQ)として知られている。
長期でのプロセス安定性の確立
⇒稼働性能適格性の確認(PQ)として知られている。
※ このように規格要求をIQ・OQ・PQの項目に分けて記載することができましたが、具体的なことが分かりにくいと思われます。
※ そこで、ISO13485の指針として発行されているGHTFを参考にすることにしました。
補足)
GHTF(Global Harmonization Task Force)は2012年に解散し、IMDRF(International Medical Device Regulators Forum)国際医療機器規制当局フォーラムに引き継がれています。
GHTFには「OQ」・「OQ」・「PQ」として記載されています
> IQ・OQ・PQについてGHTFでは次の様に書かれています。
■ 規格名:GHTF(Global Harmonization Task Force)
5.3 据え付け時の装置性能適格性確認(IQ)
簡単に言うと、IQとは正しく据え付けられたか否かを意味する。
5.4 稼働性適格性確認(OQ)
この段階では、生産のすべての予想される条件化で、すなわち最悪条件試験などで、製品が定められた全要求事項を満たすように、プロセスのパラメータを定めるべきである。
5.5 稼働性能適格性確認(PQ)
この段階での主要目的は、プロセスが通常の稼働条件下で、常に受け入れられる製品生み出せることの指示である。
※ このように、「IQ」⇒「OQ」⇒「PQ」と段階的に確認を進めればよいことがわかります。
医療機器の部品を生産している設備はバリデーションを実施することが重要!
> 医療機器メーカは、このように設備毎にバリデーションを実施して、一定品質の製品を安定的に生産できるプロセスであることを確認しています。
※ 従って、医療機器メーカに部品を供給する場合、その部品を製造している設備のバリデーションの実施を要求されることがあります。
▼ 「バリデーション」についても「無料オンライン相談会」からご相談していただくこともできます。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。