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手順書は現場で作業がやり易い手順になっていること ~ 第670号 ~

装置が変わってもそのまま手順書が使えるのか?

> 装置が新しくなっても、最初に作った手順書で作業しているため不安を感じることがあると言ったお話をお伺いします。

確かに、装置に導入時には、その装置に見合った手順書になっていたと思いますが新しい装置になると手順書通りかと言うと気になるところもあるのでは思います。

例えば、追加される機能の取扱いや操作方法が手順書と違ってくると不遵守になる可能性があります。

※ このような手順書の不遵守の影響についてPMDAの例で考えてみたいと思います。

手順書の不遵守によるリスクについて

> PMDA((独)医薬品医療機器総合機構)GMP指摘事例速報〈ORANGE Letter〉の2023年3月 No.7には手順書の不遵守によるリスクについてが発行されています。
https://www.pmda.go.jp/review-services/gmp-qms-gctp/gmp/0011.html(参照 2024-01-31)

■ この2023年3月 No.7は、製品に内容物と異なるラベルが貼付された事例になっています。

⇒ このように、手順書の不遵守となっていますが、その手順書には「作業者に分かり易い書き方になっているのか」「現状の人員で作業がキチンと実施できるか」などを確認することも求められています。

校正や適格性評価手順書も不遵守のリスクがあります

> PMDAの指摘は、『手順を守ること=“患者”と“あなた自身”を守ること』と結んでいます。
この言葉は、間接的ではありますが、製品の品質に影響を与える校正や適格性評価手順書も同様と考えます。

■ 現場での校正や適格性評価の情報は、正しく伝えられていることが大原則になります。そのために、手順書の記載においても、分かり易くなっていて、作業者が無理なく作業ができるような手順であり、作業体制になっていることが重要な事と考えられます。

✔ 分かり易い手順書の一例として、温度センサの校正手順書の「説明文」と「図」を示します。

説明文

5. 作業実施手順

 [温度/温度表示器使用]

A. 準備

1)恒温槽の電源を投入し、校正点に昇温/降温する。

2) 標準器(デジタル温度計、温度表示器またはデジタルマルチメータ)の電源を投入する。

B. 測定

1)標準器(温度表示器)と被測定器(測温抵抗体)を接続する。

2) 標準器(デジタル温度計)と被測定器(測温抵抗体)を恒温槽に設置する。

3) 標準器(デジタル温度計)と標準器(温度表示器)の指示を読み取り、校正成績書に記載する。

4) 校正点は校正成績書に記載の内容による。


※ このように手順書の書き方を工夫をすることで、校正や適格性評価の手順書も現場でキチンとつかえるものになってくると思います。

手順書の定期的な見直しが必要!

> リスクのない手順にしておくには、都度、見直しが必要と考えます。

現状の装置の機能や取扱い方法などに沿った内容になっていること

詳細に記入すれば良いということではなく分かり易い記載になっていること

現状の人員で無理なく運用できる内容になっていること

※ このような視点で手順書を見直しすることで手順書の不遵守によるリスク回避の一助になると考えます。

▼ 「キャリブレーション(校正)適格性評価手順」について「無料オンライン相談会」からご相談していただくこともできます。


※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。