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原薬製造と医薬品製造でのキャリブレーション(校正)に違いはある? ~ 第638号 ~

原薬製造でも医薬品製造でもキャリブレーション(校正)は規制要件になっている

> 原薬製造においてもキャリブレーション(校正)が重要視されているが先日お客様と「医薬品製造のそれとはどんな違いがあるのか」という話題になりました。

■ 少々堅苦しい規格の話になりますが、今回は原薬製造と医薬品製造で求められるキャリブレーション(校正)の定義を当社独自の視点で読み解いて、その違いなどについて考えてみたいと思います。

2つの規格のキャリブレーション(校正)の定義は違う

> 原薬製造と医薬品製造での代表的な規格の定義として以下の2つを取り上げます。

医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について
薬生監麻発0428第2号 令和3年4月28日

事例集 GMP2-6(計器の校正の定義)

「計器の校正」とは、必要とされる精度を考慮し、適切な標準器、標準試料等を用いて計器の示す値と真の値との関係を求めることをいうものであり、「調整」は含まれない。

原薬GMPのガイドラインについて
医薬発第1200号 平成13年11月2日

ICH-Q7(校正の定義)

特定の計器又は装置が、適切な測定の範囲において、ある対照品又は追跡可能な標準品との比較によって、規定した限界値内の結果を示すことを実証すること

※ この2つの定義を読むだけでは違いなどを理解することが難しいので、当社が独自に分類した項目内容の言葉の意味から推測して比較してみたいと思います。

言葉は違うが意図することは同じと考えられる

> 2つの規制要件を言葉の意味を考慮して、項目別に対比してみました。

項目
①GMP2-6(計器の校正の定義)
  
②原薬GMPガイドライン
規格
「計器の校正」とは、

校正
範囲
(表記なし)

特定の計器又は装置が、適切な測定の範囲において
標準器
必要とされる精度を考慮し、

(表記なし)
標準器
適切な標準器、標準試料等を用いて

ある対照品又は追跡可能な標準品との比較によって
作業
計器の示す値と真の値との関係を求めること

規定した限界値内の結果を示すことを実証すること
作業
「調整」は含まれない

(表記なし)

⇒ ここでは、2つの規格では同じ校正の定義でありながら、言葉の違いがあることが分かります。

※ しかし、分類した項目内容の言葉から推測すると、規制要件のそれぞれの言葉が意図することはほぼ同じと考えます。

原薬製造でも医薬品製造でもキャリブレーション(校正)の進め方は同じ!

> ここでは、当社独自の項目毎に規制要件がどんなことを意図しているのか考察してみたいと思います。

項目
意図すること:実施のポイント
範囲

・実施する校正の仕様を決める
校正する計器を決める
校正するポイントを決める
 など

標準器

・使用する標準を選ぶ
校正仕様に見合った標準(標準器や標準試料など)を選定する

作業

・校正のやり方を決める
使用する作業手順を決める
 など

※ このように各項目毎に考察すると、現場においては、原薬製造と医薬品製造でのキャリブレーション(校正)は同じ進め方で実施すれば良いと考えます。

「キャリブレーション(校正)」についても「無料オンライン相談会」からご相談していただくこともできます。


※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。