バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

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第564号 流量計の現場での実ループキャリブレーションが不可能な時はどうしたら良いの?

現場では、流量計の実入力キャリブレーションが実施できない

> 実際の現場では様々な条件でキャリブレーションを実施できないことがあるが、その時はどうしたら良いのかという現実的なコメントを受けました。

例えば、据えついた状態で流量計のキャリブレーションは以下のように実施します。
 ①設備から配管を外します
 ②設備の配管を外したところに、標準の流量計を接続します。
 ③流量調整バルブでを使って、校正ポイント毎にキャリブレーションを行います。
  

⇒ しかし、時には、このような理由で、実ループキャリブレーションが実施できないということもあります。
例えば、据えついた状態で流量計をキャリブレーションするためには適切な流量に調整する必要がありますが、現場で流量を変化させることが難しいものがあります。

※ 今回は、このような時に、どのようなやり方をしたらよいか、当社なりの考え方とやり方をご紹介します。

別々に分けて確認したものを組み合わせるという考え方です

> 実ループキャリブレーションが実施出来ないときは、3つの段階で確認を進めるというのが当社の見解になります。

その際に、流量計を取り外して、校正場所に送って実流校正を行うことが前提になりますが
その後、
 ステップ1:センサ以外が正しく動作することを確認する。
 ステップ2:間違いのないセンサを正しく動作するように取り付けられたことを確認する。
 ステップ3:現在値が正しいことを確認する。

※ この3つの段階をキャリブレーションが必要なループを流量計を例に順番にご紹介します。

イメージとしては、実ループキャリブレーションは、同時にまとめて実施することになりますが、3つの段階で確認する方法は、別々に分けてキャリブレーションを実施することになります。

まずは、ステップ1:センサ以外が正しいことを確認します

> ここで実施するのが、当社が提案する模擬ループキャリブレーションになります。
流量センサに接続された配線を外して、電圧電流発生器に接続して、流量センサーから出力する信号を模擬的に流量計に与えます。
  

■ この段階では、流量センサの出力を模擬的に作り出す電圧電流発生器を使って指示計が正しく動くことを確認しますので、流量センサが正しい信号を出力さえすれば正しく表示されることが確認できます。

次に、ステップ2:間違いのないセンサを正しく動作するように取り付けられたことを確認します

> ここでは、2つのことを確認します。

①取り外した流量センサが正しく取り付いていることを確認する。
 流量センサの購入時のデータを確認して正しい温度センサであることを確認します。
②流量計が正しく動作するように取り付けられていることを確認する。
 計測機器のメーカなどが推奨する取付状態になっている事を確認します。
  

■ これで、流量計が現場の流量を正しく検出し、精度の範囲内で流量表示することが確認できたと考えます。

最後に、念のために、ステップ3:現在値が正しいことを確認します

> 流量が流れていない状態(0の状態)を確認して、流量計に表示している流量値と流量センサーの値と差が無いことを確認します。
  

このように、3つの段階を確実に進めることで、実ループキャリブレーションの代用が出来ると考えます。

■ この方法では、規格が要求している通りのことはできませんが、正しく測定できる状態になっていることは説明できると考えます。

※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。