第559号 PIC/S GMPガイドラインとバリデーション基準の「OQ」を比較しました
〈引き続き〉PIC/SGMPガイドラインとバリデーション基準の要求の違いを調べました
> 今回も、PIC/SGMPガイドラインとバリデーション基準の設備などの適格性評価について比較して実作業での違いなどを調べてみたいと考えます。
※ 今回は「Operational qualification (OQ) :運転時適格性評価」を比較してご紹介します。
PIC/SGMPガイドラインにはバリデーション基準から想定しずらい要求がある
> 比較で引用した資料は前回と同様です
□ PIC/SGMPガイドラインは、平成27年7月8日事務連絡「PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について」の一部改訂についてで発布されたアネックス15のクオリフィケーション及びバリデーションを引用しました。
□ バリデーション基準は、平成25年8月30日のGMP省令から引用しました。
【PIC/SGMPガイドラインとバリデーション基準との比較】
※ 青枠のように、各比較項目を表にしたもののすんなりと理解できないものがあることも分かりました。
理解しずらい④⑦と意見が分かれそうな⑤に分けて考えてみます。
まずは、理解しずらい比較事項④⑦について考えてみました
⇒ このように考えると、比較項目④はバリデーション基準とPIC/SGMPガイドラインの要求は、言葉の違いはあるものの言いたいことは同じであると考えられます。
⇒ このように考えると、比較項目⑦はPIC/SGMPガイドラインの要求に記載されていないことも理解できます。
比較項目⑤はバリデーション基準の予期した運転範囲の中にワーストケースは入るのか
> PIC/SGMPガイドラインの「ワーストケースの条件」はバリデーション基準の要求からは想定しずらい内容の作業があると読み解くことが出来ます。
※ このことは、予期した運転範囲の意味をどのような考え方にするのかによって意見が分かれるところだと思います。
例えば、この範囲を「メーカー仕様範囲」内と考えればそれから逸脱する「ワーストケースの条件」は想定できないと当社は考えていました。
■ 故に、「ワーストケースの条件」の確認が実作業で必要だと考えられます。
OQにおいても、実際に実施する時には、両方の規格要求を参考にして、目標とする規格要求を実現することが大事だと考えられます。
今回のケースでは、バリデーション基準の規格要求で適格性評価を行うとしても、PIC/SGMPガイドラインのワーストケースの条件を考慮した方が良いと思います。
∇次回は、PQについて比較して、実作業での違いなどをご紹介したいと考えています。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。