第558号 PIC/S GMPガイドラインとバリデーション基準の「IQ」を比較しました
PIC/SGMP ガイドラインとバリデーション基準の要求に違いがあるのか
> ご存じの様に、平成25年に国内GMPは、PIC/S GMPガイドラインとのギャップを埋めるために6項目について大幅な改定が実施され、バリデーション基準の改定も実施されました。
今回は、PIC/S GMPガイドラインとこの改定されたバリデーション基準の設備などの適格性評価について比較して実作業での違いなどを調べてみたいと考えます。
※ 今回は「Installation qualification (IQ):設備据付時適格性評価」を比較してご紹介します。
作業に関わる項目ではどんな違いがあるのか知りたい
> 今回の比較で引用した資料は次の通りです。
□ PIC/S GMPガイドラインは、平成27年7月8日事務連絡「PIC/SのGMPガイドラインを活用する際の考え方について」の一部改訂についてで発布されたアネックス15のクオリフィケーション及びバリデーションを引用しました。
□ バリデーション基準は、平成25年8月30日のGMP省令から引用しました。
【PIC/S GMPガイドラインとバリデーション基準との比較】
■ Installation qualification (IQ):設備据付時適格性評価
※ このように、意外と簡単に各比較項目を表にできたことから、2つの要求には言葉の違いがあるものの言いたいことは似ていると思いました。
PIC/S GMPガイドラインには3つの特徴が浮かび上がってきた!
> 2つの規格を比較することで、規格要求内容の特徴が見えてきました。
※ 私見ですが、この2つの規格ではバリデーション基準より、PIC/S GMPガイドラインの要求内容の方が現場での具体的な作業に結び付き易いように感じます。
比較の結果、実作業での違いはないと考えられます
> 今回の比較した結果からは、現場での実作業でのPIC/S GMPガイドラインとバリデーション基準に大きなギャップはないと考えます
■ 結論としましては、どちらの規格から考えて実施しても、IQ作業時の内容は大きく違わないと言えると思います。
しかし、実際にIQを実施する時には、両方の規格要求を参考にして、目標とする規格要求を実現することが大事だと考えました。
次回は、OQについて比較して、実作業での違いなどについて調べたいと思っています。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。