第551号 医療機器製造設備での指示計のない計測器の校正方法の適否について
指示計のない計測器の校正方法の疑問
> 医療機器を製造されている会社から、お問い合わせをいただきました。
今回のお問い合わせ内容から考えると、下図のように装置に付帯する調節計の設定値で装置を動かして(制御して)、その時の装置内の温度を測定したものと考えられます。
※ このように、一般的に校正の対象となる温度の指示値が無いため、今回のようなお問い合わせを頂いたと考えています。
校正の対象は、どんな計測器か想定してみました
> 校正方法を考えるために、このような使い方がされる計測器があるか考えてみました。
■ 医療機器製造で最近はあまり使用されない電気こたつ等に使用されるサーモスタットタイプの計測器と思われます。
※ このような計測器であれば、温度を検出しているバイメタル部分を装置内に取り付けるとお問い合わせのような校正方法になると考えられます。
どのように校正するのがベターなのか!
> 管理された恒温槽を使って校正することが多いと思いますので、このような計測器の場合の校正方法の概要は次のようになります。
①計測器(サーモスタット)を恒温槽内に設置する
②恒温槽を所定の温度設定で運転する
③計測器(サーモスタット)の接点のON-OFFをテスタで測定する
④接点のON-OFF時の恒温槽の温度を記録する
※ このように、校正に使用することができる恒温槽を準備して校正する方法が一般的だと考えられます。
今回のケースなら、装置の性能が確認されていることが重要!
> このような考え方をすると、お問い合わせを頂いた方法の考え方は条件付きですが正しいことになります。
■ (しかし、この校正方法を使用する場合)注意点があります。
装置自体の温度が確実に制御されていることや温度の指示値に間違いがない等キチンと動くことが確認されている必要があります。
※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
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