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第477号 プラントデータとなる計測機器の校正は使用場所で実施するのがおすすめ(その2)

取り付け姿勢の観点から計測機器の校正実施方法を考えてみました

> 取付姿勢による指示誤差は出るのか

□ 現場では、差圧伝送器の取付場所は「塔の頂」や「床下」など様々で、〈見易さ〉〈使い勝手〉が良いように、色々な格好(取付姿勢)で取り付けられています。

⇒ ある時は表示部を「上向き」に、ある場所では「横向き」に・・・。

□ 差圧伝送器の取扱説明書にも、取付け姿勢はセンサー部を垂直にするのが「最良」であるものの、一方で取付姿勢に制約はない、と記載されている機器があります。

⇒ しかし、この差圧伝送器は、圧力を検出しているものだから、誤差の出方は取付姿勢によって違ってくると思われるが・・・。

◆ そんな問題意識で、取り付け姿勢の違いによる測定を行いました。

測定結果は思ったように重力の影響を受けた誤差傾向になりました

> 取付姿勢は、表示部が「左向き」「上向き」「右向き」の状態で、環境温度は「25℃」で測定を行いました。

【取付姿勢】

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【測定の手順】
測定は以下の手順で実施しました。
①差圧伝送器を測定のイメージのように配管・配線する。
②差圧伝送器を「表示部を上向き」にして恒温槽に設置し、『25℃』に設定し運転を開始する。
③恒温槽の温度が安定したら、0~100%までの各ポイントの圧力を入力し、そのときの
出力信号を記録する。
④標準圧力計との差を求め、測定範囲(フルスケール)に対する誤差を算出する。

【測定のイメージ】

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【結果とグラフ】

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■ このデータでは、差圧伝送器を右向きにした時にプラス側の誤差を示し、左向きにした時にマイナス側の誤差を示しました。
このような結果は、圧力センサ部(ダイヤフラム)にかかる圧力が重力の影響を受けたと考えられます。

即ち、差圧伝送器の取付姿勢によって、指示誤差(出力誤差)が生じることになります。

温度同様、据付現場で校正すれば誤差の心配は軽減される

> 重力の影響を受けなくするためにも、差圧伝送器は、表示部を「上向き」の様な状態に取り付けられることがベストと思いますが実際の現場では、重力の影響を無視できるような設置が難しいと考えます。

□ そのため、現場で取り付けられた状態で校正を行うことが温度同様、測定環境によって誤差が生まれる心配を軽減できると考えます。

※ 当社は、この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。