バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

NKSバリデーション関連業務のエヌケイエス株式会社

ISO9001に準じた運用システム(QMS)でバリデーション(適格性評価)のサービスを専門にご提供

バリデーションに関する相談窓口
電話でのお問い合わせ
052-522-2184
メール送信フォームからお問い合わせ

第473号 再バリデーション時、ループキャリブレーションの要否を知りたい

再バリデーション時のキャリブレーションでチョット悩むお問合せを頂きました

> お問合せの内容は、再バリデーション時に、測定システムのイメージ(下図)に示された各機器(温度センサ、温度指示調節計、記録計)単体で校正し、設置確認をしたら、機器が接続された状態で実施するループキャリブレーションは不必要ではというものです。

  画像2

※ このお問合せについての当社見解をご紹介します。

お問合せ頂いた方法は誰もが納得できるひとつの方法と考えます

> お問合せの単体校正+設置確認という方法をキャリブレーション実施の流れで見てみたいと思います。

  画像3

■ このような流れで実施すると、測定システムが正しく動くことが確認でき、第3者も納得できるものと考えられます。

※ 従って、『設置確認の仕方が適切であれば』という条件付きですが、単体校正+設置確認でも十分で、ループキャリブレーションを実施する必要はないと考えることができるということになります。

再バリデーションでは、単体校正とループキャリブレーションはどちらが勝っているか

> 各々の計器の単体校正とループキャリブレーションの特質や優位性を分かり易くするために、「測定システムのイメージ図」を使って、7つの視点で比較してみました。

  画像4

■ この比較結果では、ピンク色が多い、ループキャリブレーションに軍配が上がるのではないでしょうか。

とはいえ、どちらを選ぶかは、皆様の状況によって判断も変わってくると考えます

> GMPのバリデーション基準では、適格性評価を実施することを求めていますが、キャリブレーションのやり方まで具体的に要求されていません。

【規格要求】

  画像1

このように、規格では、計器に関しては、適格性評価を実施しなさいと要求しているのみですので、計器が正しく動くことを確認する方法を明確にすることが重要だと考えます。

■ こんな時、少し考えて欲しいことは
計器が正しく動くことを確認するために、どのようにキャリブレーションを実施するかは、使用している測定システムの品質への影響がどれぐらいなのかを考慮して、最適な方法を決定することだと思います。

現実的には、ループキャリブレーションは実施しておいた方が良い!!

> お問合せのように、計器の単体校正をおこない設置確認を行うやり方で、当社が気になる所は、比較表の⑥規格要求の実現レベルにあるように、規格要求をそのまま実現していないと言うことです。

■ 今回お問合せ頂いた再バリデーション時のループキャリブレーションを「実施するか」「実施しないか」は、一例ですが、このような考え方で進めることで安心できると考えます。

※ 当社は、フィールドでバリデーション・キャリブレーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。