第417号 キャリブレーション(calibration)時の調整作業にも手順があれば安心!
前回のメルマガでは、業界によってキャリブレーションの理解の範囲が違うことや製薬業界等ではその範囲に「調整」という作業も含まれるときがあることをお届けしました。
そこで、今回はその調整作業の実際や作業手順などの必要性についてご紹介することにしました。
キャリブレーション時に実施される調整作業の実際
> 一般的には、現場に使われている計器のキャリブレーションは、対象とする計器と標準器等との比較により、器差を明らかにしています。
この器差が思っていたより大きいとき、調整作業等をおこない必要な器差内に収めます。
■その調整作業は、現場に使用される計器が高機能になったことで、その使われ方も様々で複雑で煩雑なものになっています。
> (どんな感じか)製薬業界などで実施される現場のループキャリブレーション例を記します。
この例では、配管などに取付けられている①温度センサを取り外して、②の温度調節計等の対象とする計器と恒温槽内の標準温度計との比較で差を求めます。
ループ上のどの計器でも調整が可能!
> このループで調整可能な箇所は、一般的には温度センサ以外はどの計器でも調整可能と考えられます。
しかし、どの計器で調整するかによって、ループへの影響度合いが変わってきますので注意が必要です。
例えば、
①の温度変換器で調整すると、その調整値は②③④の計器まで影響します。
④の温度記録計で調整する場合では、記録計自体の値が変わるのみで他の計器に影響することはありません。
※ このように様々な事態が生じることが考えられるので、事前に、調整箇所や調整方法をキチンと決めておく必要があると考えます。
調整箇所や手順を決めておけば安心できる
> 現場では、一般的に校正担当者が管理者に報告し、調整の処置方法の指示受ける流れとなるので、校正作業の手順と調整の手順を併せて決めておくことで、スムーズなキャリブレーションが実施できると考えます。
□最近の計器はどんどんと高機能になり
そのため、全ての計器の調整方法を把握することは専門家でも困難になってきていると思います。
従って、管理者や校正担当者などの人々が協力して手順を決めることで、誰でも間違いが起こらない調整作業が可能になると考えます。
calibration作業では、校正作業と調整作業の2つの作業を実施することもある
> 先週のメルマガでは、キャリブレーション=校正、キャリブレーション=校正+調整等をご紹介をしてきましたが、校正は校正作業として、調整は調整作業として手順などを明確にしておけば、多様化している業界に求められるキャリブレーションの範囲に柔軟に対応できると考えます。
※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。