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第412号 バリデーションにおいて計測機器購入時の品質記録は必須なのか

バリデーションの品質記録にチョットした疑問がある

>その疑問とは、一般的には設備に使用する計測機器を購入する際、3点セットと呼ばれる「校正証明書」「検査成績書」「トレーサビリティ体系図」をも併せて入手すると思いますが、
3点セットがバリデーションの品質記録として、本当に必要なのかというものです。

□確かに、設計時適格性評価(DQ)として、目的とする用途に適していることを確認するため、必要な計測機器を受け取ったという品質記録は必要ですが全てを揃えておく必要があるのでしょうか

※この答えを探るために、規格ではどのように要求しているか調べてみました。

計測機器購入時の3点セットは意味がないの

>GMPのバリデーション基準の設備据付時適格性評価(IQ)には
Rectangle 1
と要求されています。

《この要求は》
Rectangle 26
と読み解けると考えます。

□しかし、購入時に3点セットで保証された状態は計測機器を検査した場所の値であって、規格が要求する使用する現場での値ではありません。
従って、計測機器購入時の3点セットは、バリデーションの品質記録としては意味のないものと言えます。
とすると、なぜ、このような規格要求にない資料に費用をかけるのかという疑問が生じるのも頷けます。

※次に、本来規格が求めるバリデーションに必要なキャリブレーション(校正)の品質記録はどんなものが必要かご紹介します。

本来規格が求める3点セットとは、設置後に現場で作成されたものです

>本来の3点セットは、バリデーション規格のIQの要求を読み解いたように、使用現場でキャリブレーションを実施し、その結果に対して3点セット等の品質記録を作成するものです。

その場合、どんな3点セットがあったらよいか当社の例でご紹介します。

【校正証明書】
グループ化 5

校正証明書は、明記された校正場所において、第三者によって審査認証されたシステムで校正作業が実施されたことが証明されていることが重要と考えます。

【検査成績書】
グループ化 6

検査成績書は、測定データと共に対象機器が特定され、校正作業に使った標準器や作業を実施した作業員も特定されていることも重要と考えます。

【使用標準器のトレーサビリティ体系図】
グループ化 7

使用標準器のトレーサビリティ体系図は校正証明書、検査成績書に記載された標準器が、国際基準・国際標準まで1:1で明確に特定できることが重要と考えます

■3点セットでは
使用現場でキチンと整備された手順書で資格者でキャリブレーション(校正)が実施されていることやトレーサビリティのとれた標準器が使われたことなどが確認できる記録になっていることが重要だと考えます。

購入時の3点セットの必要性を見直すことでコストダウンに少しは貢献できると思います

>購入時の3点セットは、書類と言えども、計測機器の使用台数が多ければ多いほどそこそこの金額になると考えます。

■購入時に必要な書類を取り決められている場合は難しいかもしれませんが購入時の3点セットの必要性を見直しすことで少しはコストダウンに貢献できるのではと考えます。

※当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。