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第317号 温度試験槽の測定の「不確かさ」を求めてみました。

お問い合せ頂いた「JTM K 08」は比較的新しい規格でした。

余り聞きなれない規格No.ですが、日本試験機工業会で調べると、2007年に制定された規格でした。
HP31710.jpg
□ この規格には
 温度試験槽を用いて行われる温度試験、いわゆる環境試験においても、
 槽内において実現される温度がどの程度の不確かさを持つのかを評価
 することが求められるようになってきた。と解説されています。
※どうもキーワードは『不確かさ』という言葉と思われますので、
 まずこの言葉を理解する必要があると考えます。

「不確かさ」とは何なのでしょうか?

>> 少し、小難しい話になりますが、ISOの国際計量基本用語集には
  測定の不確かさとは、測定の結果に付随した、合理的に測定値に
  結び付けられ得る値のばらつきを特徴づけるパラメータ
 と定義されています。
□ なんのことかさっぱり分かりませんが、定義を頑張って読み解いてみると
HP31711c.jpg
と思っておいたらどうでしょうか。
■ 図で示すと、こんな感じになると思います。
HP31712b.jpg
従って、
 『不確かさ』が小さくなるほど、測定値の真の値との差が小さくなるため
 一般的には精密な測定と言えると考えます。
※ ある程度、不確かさが分かったところで、
  実際に、不確かさの要因を明確にして
  温度試験槽の不確かさを求めて見たいと思います。

温度試験槽の不確かさの求め方は、JTM K 08に記載されています。

>> 37℃設定で運転する恒温槽の拡張不確かさを求めます。
測定データは、前回のメルマガで収集したものを使用し、取り上げた不確かさの要因を明確にするため、以下のようなバジェット表を用いて表します。

拡大

※ この恒温槽の場合では、拡張不確かさが0.60と算出されましたので
 槽内の各点の温度は、『95%の確率で、0.6℃以内になっている』といえる。
 ということになります。

測定の不確かさは世界標準です!!

実際、温度試験槽のデータを見ても不確かさは記載されていないし、日本試験機工業会でも、JTM K 07で定める性能表示ではないので、カタログ等の仕様としては記載しないとなっています。
⇒じゃ、何故、不確かさの表示が必要なのという疑問も湧いてきます。
この規格が制定された2007年の情報を見てみると、温度試験槽の国際規格に即した性能確認において、得られた性能データの不確かさの算出方法を策定したものとあり、やはり、グローバル化の流れによるものと考えられます。
□ 言い換えると
 不確かさが分かれば、その測定値を世界的に保証できるとともに、
 測定精度の比較が可能になるといえます。
■ 従って、特に、製品等を海外に輸出する場合には、製造管理・
  品質管理等多くの場面でこれらの不確かさが求められると
  覚悟しておいた方が良いと考えられます。
※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、
  規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に満足して
  頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。