バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

NKSバリデーション関連業務のエヌケイエス株式会社

ISO9001に準じた運用システム(QMS)でバリデーション(適格性評価)のサービスを専門にご提供

バリデーションに関する相談窓口
電話でのお問い合わせ
052-522-2184
メール送信フォームからお問い合わせ

第444号 医療機器製造で使う機器の校正は使用場所で実施すべきか

計測器の校正場所を考えるきっかけ・・・

> 医療機器の製造現場では、計測器の校正を行うことで、いつも正しく測定できること(使用できること)を担保しなければなりません。

① 成形機等で製造したケース等の外形を測定するノギスや厚みを測定するマイクロメータなど
② 電気部品の電気的な特性を測定するテスタや絶縁抵抗計など
③ 滅菌装置に付帯している温度計や圧力計など

□ 計測器の校正場所を考えるとき、①のマイクロメータやノギスは簡単に移動させることができるので、どこででも校正ができますが、③のような装置に付帯した温度計などの計測器は移動させるために取り外したりすることが難しいものもあります。

※ 簡単に移動できるものは試験室などで実施する、簡単に移動できないものは現場で実施するという考えもあると思いますが、校正する場所を考えるとき、本当にそれで良いだろうか。

そんな素朴な疑問が、このお問合せの根っこにあると考えます。

JIS規格では、校正場所はどちらでも良いとなっています

> JISで校正に関する規格を調べてみました。

444

この決め事を見ると
(1)は、現場で校正を行う。(2)は、現場以外の試験室などで校正を行うと解釈でき「結局どっちがベストなの?」と思ってしまいます。

■ ひとつの考え方としては、
校正場所の環境条件が計測器に影響する場合は使用場所で校正し、影響しない場合はどちらで校正しても良いということだと思います。

※ 結局、これらの規格を参考にしながら、自ら、ベストと考える方を選ぶ必要があるようです。

使用場所の環境で校正した方が納得できませんか

> 率直な意見としては、計測器を実際に使用する環境=現場で校正することが良いような気がします。

□ 「現場」「現場でない」という視点では、多くの計測器で誤差が生じる原因の大きな一つとしてあげられるのが環境条件に依存した誤差を考える必要があると思います。

それらの誤差は、温度や湿度変化による誤差、電源変動による誤差、明るさの異なりによる誤差等々想定することができないものも含まれてしまいます。

■ 現場で校正することで、環境条件のすべてを同じにすることがき、最も納得できるとやり方だと考えます。

結論は使用現場で校正するのがベターと考えます

> 多くの医療機器製造で採用される規格「ISO13485」には、プロセスのバリデーションも実施するように求められています。

そして、このプロセスのバリデーションについての追加的指針として使用されるGHTF/SG3では、バリデーションを実施する際には現場において据付時適格性評価(IQ)として校正を実施しなさいと定めていますので

ISO13485全体で考えれば、監視機器なども含めて、現場で校正を実施するという考えが、最も、安心できるやり方になると考えます。

■ 以上のような考え方から、今回のテーマ「医療機器製造で使う機器の校正は使用場所で実施すべきか」については、使用現場で校正するのがベターだと言う結論になると考えます。

※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。