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第434号 実ループキャリブレーションが不可能な時はどうしたら良いの?

規格が求める実ループキャリブレーションが実施できない

> 先週号では規格が明らかに求めているキャリブレーションは「実ループキャリブレーションだけ」という内容のメルマガをお届けしましたが

実際の現場では様々な条件で実施できないことがあるが、その時はどうしたら良いのかという現実的なコメントを受けました。

例えば
□ 室内用の温度センサのような計測機器は、据えついた状態で、キャリブレーションをするために、現場で温度を変化させることが難しいものがあります。

図のような室内型の温度センサでは、キャリブレーションのために恒温水槽の中に入れると壊れてしまいます。
そのため、空気の温度を一定にできる恒温槽を使うことになりますが、大掛かりになり現場に持ち込むことが出来ないのが一般的だと思います。

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このような理由で、実ループキャリブレーションが実施できないということが起こってしまいます。

※ では、どのようなやり方をしたらよいか、当社なりの考え方とやり方をご紹介します。

「確実なものを組み合わせる」という考え方で対応しています

> 実ループキャリブレーションが実施出来ないときは、3つの段階で確認を進めるというのが当社の考え方になります。

1.センサ以外(配線や表示部など)が正しく動作することを確認する。
2.間違いのないセンサが正しく動作するように取り付けられたことを確認する。
3.現在値が正しいことを確認する。

※ キャリブレーションが必要な室内型の温度センサを例にして、この3つの段階を順番にご紹介します。

まずは、1.センサ以外(配線や表示部など)が正しいことを確認する

> この時に実施するのが、先のメルマガでご紹介しました模擬ループキャリブレーションになります。

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■ この段階では、温度センサの出力を模擬的に作り出す6ダイヤル抵抗器を使って配線・表示部が正しく据え付けられたことを調べますので

温度センサが正しい信号を出力さえすれば正しく表示されることが確認できます。

次に、2.「間違いのないセンサ」が「正しく動作するように取り付けられた」ことを確認する

①正しい温度センサが取り付いていること
温度センサの購入時のデータなどを調べて、必要な温度センサが取り付いている事を確認します。
②正しく動作するように取り付けられていることを確認
計測機器のメーカなどが推奨する取付状態になっている事を確認します。

■ この2つの状態を確認することで温度センサが現場の温度を正しく検出し、温度表示していると考えます。

最後に、3.現在値が正しいことを確認する

> ここでは、温度センサが取り付けられた現場の温度を標準温度計で測定して標準温度計の値と表示している温度値との差が無いことを確認します。

■ このように、3つの段階を確実に進めることで、実ループキャリブレーションの代用が出来ると考えます。

このような方法もひとつの方法と考えますが如何でしょうか

> 今回ご説明したように、規格が要求している通りのことはできませんが正しく測定できる状態になっていることは説明できると考えます。

※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。