バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

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第431号 当社セミナーで為になったと評判が良い「3つのキャリブレーション」

現場で実施されている3つのキャリブレーション

> 当社では、医薬品等製造におけるキャリブレーション(校正)の考え方・進め方をテーマに各地でセミナーを開催しています。

その中で、現場で実施されている3つのキャリブレーションという内容を当社視点で説明しています。

①単体校正
②模擬入力校正(模擬ループCAL)
③実入力校正(ループCAL)

■ この内容が多くの参加者の方から為になったとのコメントを頂くことが多いので、今回は、セミナー開催時にご説明している内容も含めて、この3つのキャリブレーションについてご紹介します。

3つのキャリブレーションはそれぞれ目的が違う!

> 検出部、計装配線、表示部は一例です。

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【3つのキャリブレーション】

①単体校正【オレンジ枠】
文字通り、センサーはセンサーのみ、表示部は調節計のみの単体で校正を行うものです。
バリデーションでは、計測機器の受入検査、IQ(設備据付時適格性評価)での計測機器の据付確認時に実施されます。

②模擬入力校正(模擬ループCAL)【青枠】
模擬の標準を使って検出部の端子台からループで校正を行います。
バリデーションでは、IQ(設備据付時適格性評価)での計装工事の据付確認時に実施されます。

③実入力校正(ループCAL)【緑枠】
センサー+計装配線+表示部のループ全体の校正を行います。
バリデーションではOQ(運転時適格性評価)前に、一般的に実施されています。

※この3つの校正であまり馴染みのないのが②の模擬入力校正(模擬ループCAL)と 思いますので、ここでは少し詳しくご紹介します。

模擬入力校正(模擬ループCAL)は当社が発信した独自の校正方法です

> バリデーションが少しずつ世の中に広まってきたとき、計装工事のIQ(設備据付時適格性評価)実施後の③実入力校正(ループCAL)で問題が起こりました。

《問題は》
現場でキャリブレーションを実施する際、表示部の値と標準温度計の値に差が生じ、OKにならなかった。

《原因は》
設備据付時の計装工事において、端子台ビスの締付け不良等で接触不良になった。

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■ このトラブルでは、IQ作業として、ブザーチェックで配線がつながっていることは音で確認したが、接触抵抗まで測定していなかったので、端子台での接触不良が発見できなかった。というものです。

そこで考え出されたのが、模擬入力校正(模擬ループCAL)です

> トラブルの原因になった接触抵抗値は、極めて小さな数mΩの値のため、現場で測定することは、非常に難しく現実的ではないと判断しました。

□ そこで考えたのが、模擬の標準を使用するということです。

模擬の標準器(6ダイヤル抵抗器)で温度に該当する抵抗値を加えて温度の表示部が同じ温度を表示(温度に差がない状態)すれば、配線の状態や接続状態などに問題がないと判断できると考えたものです。

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■ こんな現場でひらめいた工夫が、参加者の興味を引いたのではと思いました。
これからも現場視点でバリデーション作業の背景などもお届けしたいと考えています。

※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、規格の要求内容や定義を具体化(具現化)して、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。