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第383号 金属の塊のような温度データロガーの気中の熱応答性は良くない!?

前回のメルマガ(実験)では、金属の塊りにみえるワイヤレスタイプの温度データロガーの熱応答性を調べて、液中での値が予想外に短かった(応答性が良い)ことをお届けしました。

今回は、同じセンサを使って、気中での熱応答性を調べてご紹介します。

金属の塊のような温度データロガーの気中の熱応答性は良くない!?

一般的に、金属で保護された温度センサは気中の熱応答性が悪いと言われています。
当社が過去に実験した気中の熱応答性(時定数の大きさ)でも

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⇒このように、金属で保護された温度センサの方が熱応答性が悪い(時定数が大きい)という結果になっています。

※今回の実験では、「温度データロガー」と「金属パイプφ3.2mmのシース型測温抵抗体センサ」の気中の熱応答性(時定数)を測って、今までの実験結果のように金属部分の大きさによって、熱応答性の良し悪しが違うか調べてみます。

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やはり!温度データロガーの方が熱応答性が悪い(時定数が長い)!

気中の時定数(90%)を調べました。

[実験の概要]
1.各温度センサを20℃⇒60℃の恒温槽に移す。
2.収集した各温度データから時定数を求める。
今回の時定数は、20→60℃での90%の変化なので、「56℃」に達する時間になります。

[測定システムの概要]:液中
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[測定結果とグラフ]
HP38350

□今回の実験の結果としては
金属部分が多い(大きい)方が時定数が長くなり、今までの実験結果通りで安心したという感じです。
そして、温度データロガーは気中での実際の温度になるのは約7分もかかることもチョット驚きました。

※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。

時定数の大きいロガーで測定したデータの取扱いには注意が必要!

倉庫とか保管庫などの温度測定をするときに、時定数の大きなロガーを使う場合は測定データの取り扱いに注意が必要と考えます。

例えば、
・所定の温度に達するまでの時間を判断する場合は、時定数に応じた時間遅れを加味する。
・温度の上下変動を最大値・最小値で判断する場合は、実際の温度より変化が緩やかになることを加味する。
等々が考えられます。

■やはり、実際に使用するセンサの時定数を、今回の実験のようなやり方で実測しておくことも重要になると考えます。

※当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
 おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。