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第370号 ダイバーはどんな空気を吸っている?圧縮空気(ダイバーのタンク)のことが気になりました

ダイビング用のスクーバタンクによっては油くさい臭いがする?

社内で圧縮空気について話していたとき、ダイビングを趣味にしている人からこんな話を聞きました。

「ダイビングのとき、スクーバタンクによっては油くさい臭いがして気持ち悪くなった」

“臭い”の感じ方には個人差があることはもちろんですが、個人差の中でも加齢、体調、睡眠時間、朝と夜、慣れ、清潔など、ニオイの感じ方に関連する要素はたくさんあると言われています。

今までメルマガで圧縮空気をテーマにしたときは、工場の生産で使われる圧縮空気を想定していましたが、ヒトが吸う空気であるダイビング用のタンクに詰め込まれた空気はどんな「きれいさ」なのだろう?と思いました。

□そこで、実際にダイビング用のスクーバタンクを借りてきて、「きれいさ」を確認してみました。
※今回はスクーバタンクの圧縮空気を「油分量」「水分量」「固体粒子」を測定して「きれいさ」を客観的に評価してみます。

まずは、ヒトの感覚で確認!

HP37050
借りてきたスクーバタンク→

このスクーバタンクはスチール製で容積10Lです。

間近で見るのは初めてです。
それほど大きくないのですが、見た目の割りに重く感じます。水の中ではマシになるとはいえ、背負うのは大変そうな印象です。

早速タンクに減圧弁を取り付け、噴出させた空気を社内にいた4名に嗅いでもらいました。(ゴム・樹脂ホースだと臭いに影響するかも?と考え、減圧弁の二次側にはステンレスの配管を繋いで試しました)


[感覚で臭いを確かめると・・・]
 ・油くさくはない
 ・僅かに何か(ゴム?金属?)のにおいはする
 ⇒全員の共通した意見として
  「油のにおいはしないが、無臭か?と言われると僅かに何か別の臭いがする」
  ということでした。

次に、「油分量」「水分量」「固体粒子」を測定器で測ってみます。

やはりきれいな空気でした(スクーバ用圧縮空気の基準を満たしていました)

圧縮空気のきれいさを各々の測定によって確認しました。

[測定方法の概要]
〈油分量の測定〉
HP37010

〈水分量の測定〉
HP37011

〈固体粒子の測定〉
HP37012

[測定結果]
HP37013a

□測定結果から
今回、測定したスクーバタンクの圧縮空気は、油分量、水分量、個体粒子の指標では上記の結果となりました。

HP37020尚、参考までにと測定場所の固体粒子濃度と較べてみました(右表参照)。
測定したタンクの圧縮空気は、私の普段吸っている空気よりも大分きれい(微粒子濃度が低い)でした。

今回のスクーバタンク内の圧縮空気の確認では、「感覚」での確認で油のにおいもなく、測定値も目立って悪くもなく、という結果でしたが、現場で使われている圧縮空気は、その用途によってはシビアな管理が必要な場合もあると思います。

現場で使用している圧縮空気も感覚だけに頼っていませんか?

圧縮空気は、現場のいろんなところで使われていると思います。
 ・製品の袋詰めや充填
 ・材料の撹拌、混合
 ・容器などの洗浄や乾燥
 ・製品や材料の圧送

このような工程で、感覚で良し悪しを判断した圧縮空気が使われているとすれば、ひょっとしたら製品に悪影響を及ぼすことがあるかも知れません。

□圧縮空気の汚れ具合を測って、きれいな圧縮空気だと確認し、安心してみませんか。

ユースポイントで確認することをお勧めしています。

製品に影響を及ぼすユースポイントで測定することがベターと考えます。

□当社では、現場のユースポイントに出向いて、圧縮空気の品質測定を行っています。

▼こちらからお問い合せいただけます。
https://www.validation-wa-nks.jp/inquiry/

※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。