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第369号 周囲温度(低温時)による恒温水槽温度への影響を少なくする工夫!

雰囲気温度(低温)による恒温水槽温度への影響を調べました。

恒温水槽は、日々、様々な環境のキャリブレーション(校正)作業で頻繁に使用します。

HP36910□それらの恒温水槽は、前々回のメルマガ、及び、前回のメルマガでご紹介した暖房気流の影響から想定すると、使用場所が低温時にも恒温水槽の温度に影響が現れるのではないかと思われます。

※そこで今回は、
寒い現場で使用される恒温水槽の低温雰囲気の影響を少なくする工夫として、フローティングボールに期待し、これを使った場合と使わない場合との差を調べることにしました。

フローティングボールを浮かべれば温度差は小さくなった

実験方法は、建屋外の低温(気温:約10℃)雰囲気場所に、水面にフローティングボールを浮かべた恒温水槽と、フローティングボール無しの恒温水槽とを置き、槽内6ヶ所の温度をモニタリングしました。

[測定システムの概要]
HP36930

[30℃で制御した時の測定結果(平均温度)]
HP36950

□測定結果から
フローティングボール有りの場合の方が、無しの場合より(思った程ではありませんが)温度差が小さくなっていることから、やはり、周囲温度の影響を受けていると考えられます。

フローティングボール有無の差(0.07℃)に価値があるかも?

今回の実験では、
フローティングボール無しでは、温度差が「0.34℃」あったが、有りでは温度差が「0.27℃」まで狭まり、雰囲気の影響が少なくなったといえそうです。
このことで、暖房気流の対策同様、周囲温度が低温の場合でも、フローティングボールの効果があることが分かりました

□今回は、寒い2月の屋外(建屋から張り出した屋根の下)で実験を行いました。
実験前は、恒温水槽に直接冷風があたったり、外気温の温度変化もあったことから考えると、もっと温度差が大きくなると思っていました。
しかし実験の結果は、意外と温度差が小さくて、フローティングボールを活用すれば要求の高い校正仕様にも使用できる可能性があると考えます。

恒温水槽の温度がもっと高い場合はどうなるか?

今回は、恒温水槽の温度を30℃で実験しましたが、恒温水槽の温度が高い場合には、雰囲気温度との温度差が大きくなるため、より大きな影響を受けるのではないかと考えられます。
そこで、今回と同じような状況下で恒温水槽の温度を上げて実験してみたいと思います。

□実験結果はデータが取れ次第ご紹介します。
 →実験しました(第371号へ)

※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。