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第349号 導電率標準液の温度による導電率(電気伝導率)変化を調べました。

導電率標準液の温度変化を調べてみることにしました。

純水で塩化カリウムを溶解する導電率標準液のような水溶液は温度の影響を受け水温が高くなるとその値は大きくなると言われています。
また、「第17改正日本薬局方の一般試験法:塩化カリウム標準液」の3.2装置の適合性の項目には、

3.2.装置の適合性

 ・・・測定系の温度が20±0.1℃の範囲にあることを確認した後、

  この標準液の導電率を測定する。・・・

と一定の温度で測定することが記載されています。
□しかし、
測定作業を実施する現場では、温度を一定にすることが難しいため、温度によって標準液の値がどれぐらい変わるか調べて、測定作業の参考にしたいと考えました。

やはり、導電率は温度によって、大きく変化することが分かりました。

今回の実験は、標準液を入れたビーカを加熱冷却器で(液温を)恒温にして、導電率を測定しました。
□実験のやり方は
1.50mlビーカに導電率用塩化カリウム標準液(133μs/cm@20℃)を入れて
2.スターラーで撹拌しつつ、標準液を所定の温度でコントロールして
3.温度が安定したら、導電率計の表示を読み取る。
[測定システムの概要]
HP34910.jpg
[使用した測定器]
・導電率計
 メーカ:Mettler-Toledo Thornton,Inc
 型式:M300 1ch 1/4DIN 240-201
HP34720.JPG
・導電率標準液
 導電率測定用の塩化カリウム標準液
[測定結果] 温度温度補償無しの導電率
HP34911.jpg
[測定結果のグラフ]
HP34912.jpg
測定結果より
□1℃で3μs/cm変化
 温度差(25.44-18.59=)6.85℃で
 導電率(152.4-132.1=)20.3μs/cm
 変化した。
この値は、温度変化の理論値:約2%/℃とほぼ同じになりました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
 異なります。

導電率計は温度(25℃)補正された数値が表示される機種が多い

今回の実験の様に、導電率は温度によって大きく変化するため、
現場で使用される導電率計は
都度、水溶液の温度を測って、基準温度(25℃)の導電率に換算する手間を省くために、自動的に温度補正された値が表示されるものが多いと思います。
■測定作業においても、
同様に、基準温度で自動補正された導電率を取り扱う方が良いと考えます。
※当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、
 お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。