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第340号 高精度な精密天びんの電源電圧変動による誤差を測ってみました。

精密天びんは電源変動による誤差が生じる?

今回実験に使った天びんの電源は、コンセント→AC/ACアダプタ→天びんの流れで供給されます。
HP34020.jpg
□このAC/ACアダプタの仕様は
 1次側:115V -20%、+15% 50/60Hz
 2次側:12V 50/60Hz
で、電源電圧変動は115Vの-20~+15%であれば精密天びんの精度に影響しないとなっています。
※今回は、この範囲の変動であれば、問題ないかどうかを調べることにしました。

スライダックを使って、天びんの電源電圧を変化させました。

この実験は、電圧を加減するスライダックを使って、天びんのAC/ACアダプタの1次側の電圧を変化させたときの天びんの指示値を読み取ります。
[実験の概要]
 1.スライダックで電圧を増減する
 2.電圧を変えたら、(風袋引きで)天びんのゼロ調整を行う
 3.分銅(1g、50g、100g、200g)を載せて測定する。
[測定システムの概要]
HP34021.jpg
□実験に使った天びんの仕様
 メーカ:メトラートレド
 型式 :AG285
 仕様 :ひょう量 210g/81g/41g
     最小表示 0.1mg/0.01mg
□実験に使ったスライダックの仕様
 電圧可変範囲:0~130V
※この実験では、スライダックの電圧を50~130Vに変化させて
 指示値の変動を確認しました。

電源電圧を変えても、全く影響を受けませんでした。

測定結果
HP34050.jpg
■このように、
50~130Vの全ての範囲において誤差は0となり、AC/ACアダプタの仕様:-20%~+15%(約90~130V)での誤差0も満足することが分かりました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。

「傾き」や「電源電圧変動」以外でも誤差が発生する要因があります!

メーカの資料には、前回と今回で実験した「傾き」や「電源電圧変動」による誤差以外にも、

温度変化による誤差

室温はできるだけ一定に保つ。
暖房設備の近くや窓際での作業も避ける。
証明器具から充分な距離を取って置き、熱が伝わらないように注意する。
(特に、白熱灯の場合は注意要)

湿度変化による誤差

湿度は45~60%の範囲にあることが理想的。
20%以下、80%以上は絶対に避ける

大気(風)の影響による誤差

通風にさらすことは避けてください。

などでも生じるため、使用時に注意する必要があることが分かりました。
〈メーカ資料より抜粋〉
※当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
 おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
 続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。