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第332号 ホット(マグネチック)スターラーの回転数はやっぱり設定値通りだった!

ホットスターラー(マグネチックスターラー)の原理を調べました。

ホットスターラー(マグネチックスターラー)は、設定値通り回転しているのかどうか?という疑問について調べてみました。
この実験に使ったホットスターラーは、磁力を利用して撹拌子を回転させ、液体を撹拌する装置で、一般的にはマグネチックスターラーと呼ばれています。
HP33210
その一般的な原理は
磁石を乗せた①の円盤をモータで回転させて、相対する②の撹拌子※1の磁石を吸引して、その撹拌子を回転させることで撹拌を行います。

※1:撹拌子
容器に入れ、回転させて液体の撹拌に用いるもので、撹拌子は棒磁石をテフロンなどで封止したもの。棒状のものが汎用性に優れるとされる。
今回は、マグネチックスターラーの設定回転数と実際のビーカー内の回転子の回転数の関係を調べてみました。

撹拌子の回転数は、ほぼ設定値どおりになりました。

この実験は、ホット(マグネチック)スターラーに置いた棒状の撹拌子の回転数を測定します。
HP33250b
[実験の概要]
1.撹拌子を以下の3種類の置き方でホット(マグネチック)
  スターラー上に置きます。
 ①撹拌子をそのまま置く(直置き)
 ②撹拌子を液体が入っていないビーカー内に置く
 ③撹拌子を液体が入っているビーカー内に置く

2.スターラーの回転数設定値を200、500、1000、1500rpmに設定して、それぞれの撹拌子の回転数が安定した時の回転数データを収集する。
[測定の状況]
HP33211

[測定結果]
HP33212
HP33251c
□測定結果から
・撹拌子の回転数は、どの設定値でもほぼ設定値と同じになりました。
 但し、③-1では、撹拌渦のため、上からの測定は出来ませんでした。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
 異なります。

撹拌子の回転が一定になる条件を調べてみました。

今回の実験では、回転はほぼ同じ状態になりましたが、どんなことが回転に影響するか調べてみることにしました。
 ・溶液を入れる容器の材質
 ・容器の内径
 ・容器内の液面の高さ
 ・容器の底面の形状
 ・スターラー本体の磁石の磁力の強弱
 ・磁石のS極、N極のピッチ(距離)
 ・スターラー本体と容器の距離
 ・スターラーの使用回転数など (㈱セイワ技研HPより)
※このように、撹拌子を安定して回転させるためには多くのファクターがあることが分かりました。

使用している同じ条件で測定しておくことが重要と考えます。

回転が安定する要素をひとつひとつ明確にして、実際に使う上での使い方を決めることは、大変難しいと考えますので、最低限でもホット(マグネチック)スターラーを使用する条件と同じ条件で安定して回転することを確認しておくことが重要だと考えます。
※当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。