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第306号 応答性が良い測温抵抗体の液中と気中の時定数を調べました。

フィルムタイプの白金測温抵抗体センサが使えそうです。

今回のセンサの探し方としては
精度的には、熱電対に勝っている白金測温抵抗体のタイプで、温度の応答性が良いものを見つけることにしました。
■この条件には「フィルム型白金測温抵抗体センサ」が合致しました。
[形状]
センサ部全体がフラットで、感温部が薄く小さいものが多い
HP30630.jpg
[特徴]
 ・感温部も薄く小さいため、感度良く温度測定が可能
 ・フレキシブルタイプで、0.2~0.4mm程度の薄さで扉や
  接合部の隙間等からの温度測定が可能など
□今回は、このフィルムタイプの白金測温抵抗体センサの
 液中と気中の時定数を比べてみました。

時定数は、液中・気中とも熱電対を上回るものでした。

□■□まず、液中の時定数(90%)から調べました。
[実験の概要]
 1.温度センサを25℃⇒60℃の恒温水槽に移す。
 2.収集した温度データから時定数を求める。
   今回の時定数は、25→60℃での90%の変化なので、
   「56.5℃」に達する時間になります。
[測定システムの概要]:液中
HP30610.jpg
[測定結果とグラフ]
HP30611.jpg
■□■次に、恒温水槽を恒温槽に変えて、同様に、気中の時定数を調べました。
[測定システムの概要]:気中
HP30612.jpg
[測定結果とグラフ]
HP30613.jpg
□測定結果から
・液中・気中とも、時定数はT熱電対(先端樹脂キャップ)を上回りました。
 (短くなりました。)
HP30614.jpg
このデータだけで考えると、気中測定で、2割近く、T熱電対より応答が速くなったことには驚きました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
 異なります。

フィルムタイプのセンサはこんなところに使うのが向いている!

フィルム型白金測温抵抗体センサは、帯状で薄いという特徴から扉や接合部のすき間から応答性良く測定できます。
□現場で使用が向いているケース
・冷蔵庫や保冷庫などの庫内温度を測定したい
・高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)内部の滅菌物や器内の温度を測定したい
 ⇒どちらも扉や接合部の隙間からセンサを挿入する
などが考えられます。

次回は、5種類の白金測温抵抗体センサの時定数をご紹介します。

白金測温抵抗体センサには、プラスチック製のもの、金属製のもの、そして、サイズの違うものなど様々な材質・構造のものがありますので、
次回は、実験可能な5種類のセンサを集めて、同一条件で、液中・気中の時定数を調べて見ます。
センサ選定時の参考データとして活用してもらえればと思います。
※当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
 おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。
最後まで、お読みいただき有難うございました。