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第300号 プラダンで作ったBOX(模擬的な病室)での差圧とすき間面積との関係を調べました。

すき間が多いと感染対策としての室圧管理ができないかも?

病院で感染対策が必要な患者を受入れるときに、病室や集中治療室から、廊下や隣室に菌が移らないように陰圧の室圧管理をしようと考えたが
室内のすき間が多いと空気が漏れて、差圧計の指示値がいつも『0』の状態になって、差圧による室圧管理ができないのではないかという疑問が生じました。
■そこで、その疑問を解決するために、すき間と差圧の関係を調べました。

わずかなすき間でも、差圧は『0』になってしまう!

この実験は、プラダン(プラスチック製のダンボール)で模擬的な空間を作りすき間の大きさ毎の差圧の変化を調べました。
①すき間(開口部)を少しずつ広くする。(カバーを除々に下げる)
②供給風速が一定になるように、送風ファンを調整する。
③差圧計の指示値を読み取る
HP30001.jpg
[測定結果とグラフ]
HP30010.jpg
HP30053.jpg
□測定結果から
 ・すき間(開口部)を閉じた状態で『 44Pa 』もあった差圧が
 ・開口面積:10cm×1cm=0.001m2とわずかなすき間で『 6Pa 』と
  大幅に低下した。
 ・開口面積:10cm×6cm=0.006m2で差圧は『 0Pa 』になった。
⇒このことから、極力すき間を小さくしないと室内の圧力は立たない
 ことが分かりました。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異なります。

すき間をつくらないために注意すること!

今回の実験より、病室内にわずかでもすき間があると差圧表示がゼロになってしまい室圧管理できないことが分かりました。
□わずかなすき間をなくするために、
 ・壁とスラブ(床)の取合部分
 ・扉(出入り口、窓など)
 ・点検口
 ・照明器具、コンセントのはめ合い部分、、、などに
気密性の高い納まりの施工とか気密性の高い器具を選定しなければ実現は困難であると考えます

少々すき間があっても室圧を立てるには、どれぐらいの供給風量が必要か?

次回は、すき間の大きさが変わっても差圧が一定(10Pa)になるにはどれだけの空気を供給したら良いか調べてみることにします。
※当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
 おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。