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第284号 輸送時に使用する保冷剤(ドライアイス)はどれぐらいの時間保つのか?(箱の大きさ)

温度の安定度合いはBOXサイズが小さいほど良いか?

前回はドライアイスの量が多いほど温度の安定度合いが良い事が
分かりましたので、今回は、発泡スチロールBOXの大きさに注目しました。
一般的に、同じ量のドライアイスの量であれば、発泡スチロールBOXの
サイズが小さいほど温度の安定度合いは良さそうと考えられますが
□本当にそうなるか、また、どの程度の大きさであれば、使い物になる
 (この実験では0℃以下とします。)かなどを調べましたのでご紹介します。

予想外!MサイズのBOXの安定度合いが最も良い結果になった。

今回の実験は、安定度合い(低温で長時間安定するなど)を確認するため、
大きさの違う発泡スチロールBOXを5台用意し、各々に同じ量の
ドライアイスを入れて温度を測定しました。
[発泡スチロールBOX(5種類)+ドライアイスの写真]
HP28410.jpg
[実験の概要]
 1.各サイズのBOX内の底部に、0.5kgのドライアイスを
   2個左右に離して設置する。
 2.BOX内の中央のふた下5cmに温度センサを設置する。
 3.BOX付近の外気温(雰囲気温度)も測定する。
 4.各温度データを収集する。
HP28411.jpg
[測定システム]
HP28412.jpg
[使用測定器の仕様]
・データ収集装置
 メーカ:横河電機
 型式:DA100
・温度センサ
 テフロン被覆T熱電対クラス1
[測定結果のグラフ]
HP28451.jpg
□測定結果から
 ●小さめのBOX(SS、S、M)の方が低温になる。

 ●BOXサイズがL、LLは30分~1時間経つと0℃以上になる。

 ●BOXサイズMが最も長い時間低温になった。

  本来は、S・SSの方が低温になると考えられるが、BOXの大きさと
  ドライアイスの量・大きさの相性が良かったと思われる。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
  異なります。

使用条件で確認しておくことがベスト!

2つの実験の結果から
 BOXサイズの大きさとドライアイスの量は温度の安定度合いに
 大きな影響があることが分かりました。
そして、BOXの大きさとドライアイスの量のバランスが良いのは、
BOXサイズ:M、ドライアイス:0.5kgX2個という結果になりました。
■実際の使用時では、
 輸送する製品の大きさや外気温など実験の条件と違いますので、
 使用条件に見合ったテストを実際に行い、要求に沿った輸送BOXに
 なっているか確認する必要があります。

次回はドライアイスの置き方に注目します。

今回の実験を進める中で、温度の安定度合いにドライアイス2個の
離し方等の置き方が関係するのではという事象に遭遇しました。
 そこで次回は、ドライアイスの置き方の違いによる温度変化について
 調べてみることにします。→調べてみました!
※当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
 おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。