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第283号 輸送時に使用する保冷剤(ドライアイス)はどれぐらいの時間保つのか?(ドライアイスの量)

ドライアイスで輸送BOX内の温度を保っています。

ご存知のように、最近、製品の保管温度に対する要求が高くなってきて、流通時においても温度を低温に保つ必要があります。
 特に、製薬のGMPの兄弟のような規格になるGDP:適正流通基準
 (Good Distribution Practices)でも要求され、重要度が増して
 きていると感じています。
□ このような流通での輸送方法のひとつとして
  輸送BOX内にドライアイスなどの保冷剤を入れ、製品を運んでいるようです。
■ 今回は、こんな感じで使う場合を想定して、ドライアイスの量によって、
  発泡スチロールBOX内の温度を、0℃以下にどれぐらいの時間保つ
  ことができるか実験しました。

温度の安定度合いはドライアイスの量に比例する!

今回の実験は、安定度合い(低温で長時間安定するなど)を確認するため、発泡スチロールBOX(256mm x 196mm x 124mm:6.2L)を3台用意し、各々に違った量のドライアイスを入れて温度を測定しました。
[発泡スチロール+ドライアイスの写真]
DSC_0523-001.JPG
[実験の概要]

1.BOX内にドライアイスを設置する。
 [A]:0.5kgのドライアイスを1個、底部の中央に置く
 [B]:0.5kgのドライアイスを2個、底部の左・右に離して置く
 [C]:0.5kgのドライアイスを3個、底の中央・左・右に離して置く
2.BOX内の中央のふた下5cmに温度センサを設置する。
3.BOX付近の外気温も測定する。
4.各温度データを収集する。

[測定システム]
HP28301.jpg
[使用測定器の仕様]

メーカ:横河電機   型式:DA100

テフロン被覆T熱電対 クラス1

[測定結果のグラフ]
HP28303.jpg
□ 測定結果から

・ドライアイスの量が多いほど、BOX内はより低温になり、長時間安定した。
HP28302.jpg
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
  異なります。

輸送BOXの温度特性を知っていることがベストと思います。

輸送する製品の種類によって、保温に必要とされる温度や輸送時間は様々だと思います。
また、使用される輸送BOXの特性もまた、様々だと思います。
□ 今回実験した発泡スチロール製BOXでは(こんなデータになり
 ましたので)、0℃以下の保存という要求であれば、ドライアイスを
 3つ(1.5kg)使えば、約半日は保存できることが分かりました。
■ こんな感じで、使用条件に見合った輸送BOXであることを
  確認しておくことが重要だと考えます。
※ この確認作業を、当社ではバリデーション支援業務のOQ(運転時
  適格性評価)と呼んでいます。

次回はケースの大きさに注目します

同じ量のドライアイスの量であれば、発泡スチロールケースの大きさが小さいほど温度の安定度合いは良いと考えられます。
■ 本当にそうなるか、次の実験で調べてみることにします。
※ 当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
 おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を
 続けています。