バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

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第266号 現場からのご質問の解決策を(一緒に)考えてみます。(4)

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 これも設備・装置メーカさんから頻繁に頂くお問い合わせです。
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>> 製薬メーカさんに設備・装置を納入しているメーカさんからの
  お問い合わせで
  コンピュータを使って制御している自社製品に対して、
  納入先からバリデーションの対応も求められるが、
  どのようなことをしたら良いか分からない
  というご質問です。
□ 今回は、このご質問について考えてみます。
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 最初に、ご質問に登場するコンピュータを簡単にご説明します。
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>> コンピュータは、「ハードウェアというもの」と「ソフトウェア
  というもの」で作られ色々な機器の高度な機能(働き・作用)を
  実現させています。
 このハードウェアは、
  コンピュータ本体や各部品など、物理的なパーツで構成された
  ものです。
 また、ソフトウェアは、
  コンピュータを機能させるためのデータ(プログラム)のことで、
  ハードウェアのような物理的な形はないものです。
□ チョット分かりにくいですが、皆さんの身近にある冷蔵庫・
  エアコンやテレビなど、ほとんどの電化製品はマイクロ
  コンピュータと呼ばれるコンピュータが使われています。
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コンピュータを使った装置はコンピュータ化システムと呼ばれています。
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>> 同様に、製造現場で使用される装置・機器も、全て、コンピュータが
  使われているといっても過言ではない状況になっています。
 ご質問の製薬業界では、このコンピュータを使った制御・管理する装置を
 コンピュータ化システムと呼んで、コンピュータのハードウェア・ソフト
 ウェアのバリデーションが必要になっています。
 □ 聞き慣れないコンピュータ化システムという言葉が出ましたので、
   掃除機を例にご説明します。
HP26601.jpg
■ このように、人が関与しなくても、スイッチを押せば、全て
  お任せで動いてくれるようなものをコンピュータ化システムと
  思って頂ければ良いと思います。
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 コンピュータのバリデーションは設備・装置メーカさんの出番です。
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>> コンピュータ化システムのバリデーションに、設備・装置メーカさんが
  どのように関わっていくのかを考えてみます。
□ コンピュータ化システムのバリデーションでは、コンピュータを
  構成しているソフトウェアやハードウェアがキチンと動いている
  ことも確認する必要がありますが、その領域まで製薬メーカさんが
  介入されることは殆どないと考えます。
 そこで、それらを設計、製作している設備・装置メーカさんの
 出番になってくるということになります。
■ 即ち、コンピュータ化システムのコンピュータのバリデーションに
  関しては、設備・装置メーカさんが担当することになります。
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 設備・装置メーカさんのコンピュータ バリデーションのポイント
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>> 堅苦しい規格の話になりますが
  設備・装置メーカさんでは、コンピュータ化システム適正管理
  ガイドラインの「コンピュータ化システムの開発段階の検証」を
  受け持つ必要があります。
□ そこで、設備・装置メーカさんの工場で実施しなければ
  ならないバリデーションのポイントと内容をまとめてみました。
① 機能仕様書の作成
  製薬メーカさんがやりたいことに対応した具体的なコンピュータ化
  システムの機能と性能を記載します。
 (この書類は設備・装置メーカさんが作成する必要はないが委託される
  ことが多い)
② ハードウェア設計仕様書の作成
  上記①の機能仕様書に基づいて、ハードウェア及び構成に
  ついて記載します。
③ ソフトウェア設計仕様書の作成
  上記①の機能仕様書に基づいて、プログラム製作用の仕様書を
  作ります。
④ プログラムの作成とプログラムテストの実施
  プログラム仕様書通りにプログラムを作成し、仕様書通りに
  動作するか確認します。
⑤ システムテストの実施
  機能仕様書に記載された要件が全て満たされていることを
  確認します。
  テストに使用する計測機器のキャリブレーションも必要になる。
■ 設備・装置メーカさんとしては、コンピュータ化システム
  適正管理ガイドラインの規格要求に対して、最低限でも、
  こういった内容を実施し、結果をキチンとドキュメントに
  しておくことが必要と考えます。
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次回も、ご質問の解決策を考えてみます。
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>> 次回は、細胞培養での設備・装置のバリデーションの実施内容に
  ついて考えてみます。
 ※ 当社は、フィールドでバリデーションを実施する立場から、
   規格の要求内容や定義を具現化(具体化)して、お客様に
   満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。