第260号 低温フリーザーが停電した時の『製品温度』の変化を測定しました。
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停電は保管している製品などにどんな影響があるのだろうか!
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>>北海道の大雨特別警報や新潟での竜巻などまだまだ異常気象による
設備や装置への影響が心配されます。
そこで、前回は保管物を入れない状態での温度測定を行いましたが、
今回は、引き続き、庫内に実用に即した模擬的な保管物を入れて、
停電時の保管物内部の温度を測定しました。
□この実験では、低温フリーザーに保管する製品の内部温度が、
停電した時にどんな感じになるのかご紹介します。
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-85℃の運転状態で電源を切って5時間放置しました。
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>>各部温度のモニタリングのやり方です。
1.模擬的な保管物に温度センサをこんな風に取り付けました。
2.保管物内部8ヶ所・庫内3ヶ所に温度センサを取り付ける
3.低温フリーザーの操作部(デジタルコントローラ)を「-85℃」
に設定する
4.温度が安定したら、低温フリーザーの電源を”OFF”(停電)する。
5.データ収集用PCで温度データを収集する
[測定システム]
[使用測定器の仕様]
①データ収集装置
メーカ:横河電機
型式:DA100
②温度センサ
センサ①~⑧:テフロン被覆T熱電対クラス1
センサ⑨~⑪:シース測温抵抗体Φ1.6クラスA
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保管物の内部温度(製品温度)は、チョット変わった変化をしました。
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>>この実験結果のデータとグラフです。
■実験結果から
・保管物(製品)の温度は、電源断(停電)してもすぐに上がらず、
少し遅れてから上昇しだした。
・庫内温度を前回の実験と比較すると
保管物を入れた時(今回の実験)の方が、温度が上がりにくいことが
分かりました。
□(今回の実験結果での)
これらの温度が上がりにくかったことは、製品の氷が、昔の冷蔵庫のように、
冷気を徐々に放出しているからだと考えられます。
※但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
異なります。
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やはり、皆さんの使用条件でデータ採りすることが重要!
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>>この実験のデータのように、製品がもっている冷気の量(氷の量など)で、
温度は大きく変わるのではないかと推測されます。
□やはり、お使いの低温フリーザーで、皆さんの使用条件(使用している
容器や内容物等)でデータを測定して、停電時の対策を考える必要が
あると考えます。
■当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。