バリデーション@エヌケイエス株式会社 NKS

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第259号 低温フリーザーが停電した時の庫内温度の変化を測定しました。

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停電したとき、庫内温度はどこまで上昇してしまうのか!
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>> 最近、大雨・カミナリや竜巻などの異常気象で、度々、停電のニュースを
  聞くことがあります。
 このような停電によって、低温フリーザーの庫内温度が上がりすぎて
 しまわないかと心配されることがあるのではないかと思います。
□ そこで、
 低温フリーザーの庫内温度が、停電によって、実際どんな感じになっているか
 調べてみることにしました。
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庫内14ヶ所をモニタリングしました。
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>> 実験のやり方は
1.庫内14ヶ所(ロードライン付近:6ヶ所、中央付近:3ヶ所、
  底部付近:5ヶ所)に温度センサを取り付ける
2.低温フリーザーの操作部(デジタルコントローラー)を
  ”-85℃”に設定する
3.温度が安定したら、低温フリーザーの電源を”OFF”(停電)にする。
4.データ収集用PCで温度データを収集する。
HP25910.jpg
HP25911.jpg
[使用測定器の仕様]
①データ収集装置
  メーカ:横河電機
  型式:DA100
②温度センサ
  ①~④、⑩~⑬:テフロン被覆T熱電対クラス1
  ⑤~⑦、⑨、⑭ :シース測温抵抗体 Φ1.6クラスA
  ⑧ :シース測温抵抗体 Φ3.2クラスB
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全ポイントとも、同じ傾向で上昇しました!
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>> この実験結果は、庫内安定状態で電源断(停電)してからの、
  温度変化を測定したデータとグラフです。
 また、表中の上昇温度(5h)は、5時間後の温度と停電直前の
 温度との差を求めたものです。
HP25915.jpg
HP25951.jpg
■ 実験結果から
 ・全ポイントとも停電後1時間ぐらいの温度上昇幅が大きい(約30℃)
 ・ロードライン付近の1時間後の温度上昇(青字)が大きい
 ・温度の上昇傾向は全ポイントとも同じになった
□ このように庫内に何も入れない状態では概ね想定通りの結果になりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
  異なります。
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停電したときの対応について
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>> 一般的なことになりますが、停電したときの対応の仕方を記します。
 ・実験で求めたデータから、保管温度をオーバーしない時間内に、
  無停電電源に接続する。
 ・無停電電源がない場合は、扉の開閉はできるだけ少なくする。
 等が考えられます。
※ 庫内に何も入れない状態ではこんな感じになりましたので、次回は、
  模擬負荷を入れて、その内部温度の変化をご紹介します。
■ 当社は、
 この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
 おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。