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第258号 圧縮空気の品質測定:清浄度測定場所の周囲環境による影響を小さくする治具をご紹介します。

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 圧縮空気の清浄度測定は、測定場所の周囲環境に影響される!
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>>ご存知のように、圧縮空気の清浄度測定は、
  清浄度を測る機器(パーティクルカウンタ)が動作できる大気圧ぐらい
  まで減圧して測定するのが一般的なやり方になっています。
■ しかし、このやり方では(大気圧付近まで減圧するため)、ごく希に、
  測定する場所の塵埃(微粒子)をパーティクルカウンタに巻き込んで
  しまい、誤測定(誤カウント)することが考えられます。
□ この誤カウントは、測定場所の室圧・気流や清浄度等の周囲環境に
  影響されると考え、この影響を小さくできる治具を製作することに
  しました。
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 「清浄度測定用サンプリングセル」(当社命名)を紹介します。
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>> 製作した治具は
  写真のように、直管部が長めで、その直管部内の中央付近から空気を
  吸ってパーティクルカウンタで測定できるように工夫しました。
 こうして、排気口から周囲の塵埃(微粒子)を巻き込まないように
 しました。(各部の寸法は、JIS規格に準拠しています)
 ※この治具を「清浄度測定用サンプリングセル」と呼んでいます。
HP25810.jpg
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 測定場所の塵埃の影響を受けないことが分かりました!
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>> サンプリングセルを使うことで、周囲の塵埃の影響を受けないか
  どうかを確認しました。
 確認の仕方は
 ・一般的な工場の機械室のような雰囲気にサンプリングセルを置いて
 ・サンプリングセル内に微粒子が”0”の圧縮空気を送り込み
 ・パーティクルカウンタでサンプリングセル内の塵埃(微粒子)を
  カウントしました。
HP25811.jpg
■ このように
  2つの粒径(0.3/0.5μm)とも、微粒子は検出されなかった
  ので、サンプリングセルを使えば、周囲環境からの影響は無いものと
  考えられます。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は
  異なります。
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 「清浄度測定用サンプリングセル」を使った測定でも注意することがあります!
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>> この方法を使うと微粒子が多くても正しい測定が出来ることが分かり
  ましたが、2つの注意点があります。
1.圧縮空気の圧力が高いと、パーティクルカウンタが流量異常で
  測定できない場合があります。こんなときは、流入側の圧力を少しずつ
  減らして正常な流量になるように調整する必要があります。
2.パーティクルカウンタが測定できるカウント数の範囲をオーバーする
  場合は、パーティクルカウンタの入り口に希釈器を接続して、測定可能な
  微粒子数の範囲内にすることも必要です。
■ 当社は、
  この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
  おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。