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第244号 「サニタリー仕様のセンサ」校正ではセンサの挿入長が影響する?

この校正方法はセンサの挿入深さに影響されることが考えられる。

>> 電気炉を使った校正では、電気炉の設定温度とサニタリー仕様のセンサの
  温度は同じぐらいになるのが普通です。
しかし、挿入深さが短いサニタリー仕様のセンサでは、13.7℃もの差がありました。
▼以前の実験データは、こちらからご覧いただけます。
   第241号 サニタリー仕様のセンサの校正方法を確認しました。
□このことから、校正の際には、センサの挿入深さによって正しく測定できない
 ことが考えられます。
※そこでセンサの挿入深さによってどれぐらいの温度差が発生するか調べました。

やはり、センサの挿入深さの差によって、温度差が発生しました。

>> まず、現場の運用を考えて、新しい専用の均熱ブロックを作りました。
  この専用の均熱ブロックは電気炉の底近くまでセンサが届くように
  改良したものです。
 実験の方法は、「基準のL型センサ」をそのままにして、もう一方の
 「サニタリー仕様のセンサ」の挿入深さを変えた時の「基準のL型センサ」と
 「サニタリー仕様のセンサ」の温度差を測定しました。
[測定の状態]
HP24401.jpg
[「L型のセンサ」と「サニタリー仕様のセンサ」の仕様]
①L型のセンサ
 メーカ:大成製作所
 仕様 :シース白金測温抵抗体JIS A
     Φ3.2L型 (先端側L=50mm)
②サニタリー仕様のセンサ
 メーカ:山里産業株式会社
 仕様:シース白金測温抵抗体JIS B
     Φ3.2 L=200m
     ヘルール部 サイズ:1.5S、1/4PTネジ
             Φ3.2-1/4のコンプレッションフィッティング
[測定の結果]
HP24450.jpg
[測定結果のグラフ]
HP24451.jpg
■ このように、「サニタリー仕様のセンサ」の挿入深さが
 「基準のL型のセンサ」の挿入位置より、浅くても、深くても、温度の差が
  生ずることが分かりました。
※ 但し、上記の実験は、あくまで一例で、種々の条件により計測値は異
  なります。

この校正方法の現場運用には、2つの条件を満足させればよい!

>> 今までの実験結果から、この校正方法の運用条件を考えました。
1.均熱ブロックは、この実験に使ったような電気炉の底近くまでセンサが
  届くものを使う。
2.基準のL型センサは
 ①「サニタリー仕様のセンサ」と挿入長さが同じであること
 ②「サニタリー仕様のセンサ」と太さがほぼ同じであること
□ 即ち、現場で使われている「サニタリー仕様のセンサー」と同じような仕様の
  L型センサを都度製作する必要があることになります。
■ 当社は、
  この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境に
  おいても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。


▼関連する情報はこちら
 第240号 サニタリー仕様のセンサを電気炉で校正する方法を考えました。
 第241号 サニタリー仕様のセンサの校正方法を確認しました。