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バリデーション関連メルマガ 第186号 温度計のセンサを取付けたまま校正する方法の検証(変動が緩やかな場合)

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  温度計のセンサを取付けたまま校正する方法の検証(変動が緩やかなケース)
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  前回のメルマガでは、約30分で「ー13~ー22℃」の間で温度が変化
  する装置において、装置の温度センサと同じ場所(近傍)を測って、装置の
  温度計を校正することは結構難しいことが分かりました。
  今回は、もう少し温度の変化が緩やかな場合では有効性がどうなるかが
  気になり前回同様の方法で検証しました。
【本 文】
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  温度センサは、前回・前々回同様の組み合わせで実験しました。
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 >> 温度センサは、測定データの比較がし易いように、今までの実験と同じ
   以下のような6通りの組み合わせで測定しました。
   □ 熱電対の「被覆タイプのT熱電対」「シースタイプのT熱電対」
    センサの3通りの組み合わせ
   □ 測温抵抗体の「シース測温抵抗体」「フィルム測温抵抗体」センサの
    3通りの組み合わせ
   ※ また、校正方法の有効性は以下の通り前回と同じ条件で判断します。
    同じ時刻(タイミング)で双方の温度の差が無い状態「温度差が±0.2℃以内」
    が続けば、「温度計のセンサを取付けたまま校正する方法」は有効性が
    あると判断するものです。
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  緩やかに変動している場所で実験しました。
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 >> 今回の測定場所は「16~19℃ぐらい」の温度に管理された室内で
   前回と同様の方法で実験しました。
  
   ▼ 測定方法とデータは、こちらでご覧頂けます。
     https://www.validation-wa-nks.jp/2013/0214_110000.php  
   この様に、総ての組み合わせで「0.1℃」以下の温度差になりました。
   ■ 実験の結果から、総ての組み合わせで有効性が認められました。
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  「センサを取付けたまま校正する方法」の
   有効性が成立する条件を2つの視点から纏めました。
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 >> 今までの実験で、同じ場所(近傍)を測定する校正方法の有効性が
   成立する条件を考えると以下のようになることが分かりました。
   ①[装置の温度変動の視点から]
    □ 測定場所の温度が一定していること(例えば、±0.2℃ぐらいで変動しない)
    □ 測定場所の温度変動が緩やかこと
     (今回の測定条件は、約6hぐらいかかって、16~18℃の間を変動)
   ②[使用するセンサの視点から]
    □ また、双方(装置についているセンサ/校正に使用するセンサ)
      のセンサの応答性が極めて早く、同じ応答性のものを使うこと
   ※ このような条件が成立すれば、同じ場所(近傍)をはかる校正方法
    で、装置に付いている温度計を校正できると思います。
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  次回は、対象の計測器が「湿度計」の場合について実験します。
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 >> 現場では、同様の作業を湿度計でも行いますので、同様な実験を行って
  「湿度計」のセンサを取付けたまま校正する方法の有効性を検証します。
  ※ 当社は、
    フィールドでバリデーションの実務を行ってきたこの様な測定の
    ノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業を
    お届けする努力を続けています。