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No.100 熱電対(温度センサー)の使用種類の誤りにより起こる事

[設備の変更時にあったケース]
 温度計の測定精度を上げようと、使用目的に適した温度範囲でより高精度な
 種類の温度センサーに交換し、指示計器の設定も適切に変更したが、大きな
 誤差が出た。
⇒原因は「センサと共に適切な種類の補償導線に交換しなかったこと」でした。
  今回は、不適切な補償導線の種類が適切でない場合、どのような影響が出るのか
  測定してみました。
1. 測定の方法
1.1 測定に用いた温度計
 ・型式     : SDC26 (山武製)
 
1.2 測定方法
   測定は以下の方法にて実施しました。
 ①温度センサ(熱電対)の出力を模擬的に発生させる装置を、補償導線を介して
   温度計に接続する。
 ②検査点の温度に応じた信号を出力し、指示値を読み取る。
 ※上記①、②を正常な状態と、誤ったセンサ・計器設定の状態とでそれぞれ測定
   を行う。
 ・温度センサ由来の誤差を排除するため、模擬信号による検査としました。
【検査点】 0~200℃まで、50℃おき
       ※熱電対の各温度に対応する信号を入力する。
1.3 測定したパターン
HP100-01.jpg
2.測定した結果
2.1 入力した温度に対する指示値の誤差結果
HP100-02.jpg
上記の結果から、
 □ 傾きは若干異なるものの、ほぼ正常な状態と平行した誤差が0~200℃で出る。
 □ 誤差は誤り方によってプラス側にも、マイナス側にもでる。
2.2 入力した温度に対する指示値のグラフ
HP100-03.jpg
 ⇒接続が正しい状態か確認するためには?
 方法1
    ①温度センサ、計器の端子台で正しい熱電対・補償導線が接続されていること
    ②指示計器の設定がセンサに適した内容になっていること、を目視確認する。
 方法2.”現場から”温度センサの信号を模擬的に入力して指示を確認する。
      →温度センサを除く、測定経路の正しさを確認できます。
 方法3.温度センサに実際に温度を与えて確認(校正)を行う。
      →温度センサを含めた測定経路全体の正しさの確認ができます。


▼関連「装置の実験データ」はこちら
  No.99 熱電対(温度センサー)の接続の誤りにより起こる事
  No.56 熱電対(温度センサー)の誤った工事により誤差が出るケース
  No.26 ループ校正とは、何?
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