バリデーション関連メルマガ第120号 [設備のバリデーション全般]バリデーションの具体的な検証内容とは!その3
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[設備のバリデーション全般]バリデーションの具体的な検証内容とは!
その3
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今回は、先週号でご紹介しました「バリデーションの段階」と「IQの実施項目」の
決め方に続き、次の重要項目となる「キャリブレーション(校正)」の実施項目の
決め方についてお届けします。
▼前回までのMailは以下のリンク先でご覧いただけます。
□その1[バリデーションの段階]
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/0915_113000.php
□その2[IQの実施項目]
https://www.validation-wa-nks.jp/2011/0922_113000.php
【本 文】
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重要なGMPでのキャリブレーション(校正)の定義
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>> キャリブレーション(校正)の実施項目を考えるのに重要な「GMP
バリデーション基準」での校正の定義からご紹介します。
この基準で”「校正」とは、必要とされる精度を考慮し、適切な
標準器や標準試料等を用いて製造行為中に使用される計測器の
表す値と真の値との関係を求めること”をいう。
■ この定義で、実施項目を考えるために重要な言葉は、「製造行為中に
使用される計測器」という言葉です。
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「製造行為中に使用される計測器」の見つけ方
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>> この計測器は、製造行為中に使用する書類の中にあると考えれば簡単に
見つけられます。
※ このことは、当たり前なことですが、結構盲点になりがちです。
即ち、キャリブレーション(校正)の実施項目は、薬の製造で皆さんが
日常的に使用している書類の中にあると言うことになります。
具体的には、
●標準作業手順書と呼ばれるSOPです。
このSOPの中には、「どこどこの温度を○○℃に設定する」とか
「±○℃以内に調整する」とか書いてあると思います。
こんな場合は、温度を表示する△△温度計が対象となる計測器に
なります。
●また、製造時の記録書もそのひとつです。
この書類には「製造中に、○○の圧力を記録する」という様な用紙に
なっていると思います。
この場合では、圧力を表示する○○圧力計が対象となる計測器に
なります。
等々、皆さんの書類の中に記載されている計測器の全てが実施項目に
なります。
■ このキャリブレーションでは、一般的に、設備・装置に使用されている
「温度計」「圧力計」「流量計」など殆どの計測器が対象になってきます。
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「製造行為中に使用される計測器」のもう一つの意味
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>> 実施項目の話題から少しずれていますが、この言葉には、もう一つ重要な
意味があります。
⇒ それは、
計測器を設備・装置に据え付けられた状態でキャリブレーション
(校正)を行うことを求めていると言うことです。
▼具体的な作業のイメージは、こちらのページでご覧頂けます。
[ループ校正とは?]-温度計を例にした説明のページ-
https://www.validation-wa-nks.jp/2010/0225_110000.php
■ このことは、
キャリブレーション作業を行う手順に大変影響しますので付け加え
させてもらいました。
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次回は、OQ:稼働時適格性の確認をお届けします。
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>> バリデーションでは、
IQ(据付時適格性の確認)、キャリブレーション(校正)の次に、
OQ(稼働時適格性の確認)を実施することになります。
※ 次回は、OQの実施項目の決め方をご紹介します。