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バリデーション関連メルマガ第102号[装置の選び方シリーズ]試験編:思い通りのインキュベータを選ぶポイント

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  新シリーズ:装置の選び方シリーズの概要
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 このシリーズでは、使用目的にあった装置を選ぶ為の「ポイント」
 「メーカの仕様書の見方」や「関連する当社の実験データ」を
 ご紹介していきます。
 >> ご紹介予定の装置は・・・
   「インキュベータ」「オートクレーブ」「恒温恒湿槽」「フリーザー」
   「乾熱滅菌器」などを考えています。
 今回は、試験で良く使用される「インキュベータ」を取り上げます。
【本 文】
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  インキュベータをこんな風に使いたい
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 >> 皆さんの周りで行われている様々な試験では、庫内の温度が重要になる
   試験が多くあります。
   例えば、試験の方法を決めている「日本薬局方」では、ある試験の
   温度を35~37℃と決めているものがあります。  
  ■ 今回は、この温度を満足させるには、どの様な「インキュベータ」を
    選んだら良いか考えてみます。
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  まず、メーカの仕様書を見て下さい
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 >> 試験温度が、35~37℃になっていますので、仕様書で、見るべき
   ポイントは「温度分布精度」になります。  
  
  ⇒あるメーカさんの仕様書には、条件付きで、±1.0℃と記されて
   います。(条件は→外気温度:20℃、設定温度:37℃)  
  ■この±1.0℃は、
   36℃の温度設定にすれば、どの棚のどの場所でも35~37℃以内に
   なっていると思う方もいるかも知れませんが、実際はそういうことでは
   無い場合があります。
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  その理由をお話します
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 >> まず、この様なインキュベータの実際の内部温度はどうなっているかを
   ご紹介します。
   当社のデータから見ると、内部の温度状況はこんな風になっています。
   ▼ 測定方法とデータはこちらでご覧頂けます。
     https://www.validation-wa-nks.jp/2011/0428_110000.php  
  ■ このデータから分かるように
    今回の測定条件では、35~37℃の範囲を外れている事が
    分かります。
  ● これは、仕様書に記載される値は、実際の温度を平均するという
    装置の性能試験方法及び性能表示方法から起こってきます。
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  こんなインキュベータを選んで下さい。
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 >> 当社の実験データからみますと、この試験の温度要求を満足させるには
   「温度分布精度が±0.5℃程度」のインキュベータを選ぶ必要が
   あると考えられます。
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  購入したあとにも、確認することが重要です
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 >> メーカさんの仕様書には、一つの条件での温度分布になりますので、
   この条件外では、この仕様を満足しない可能性があります。
   即ち、購入したあとにも、使いたいと思ったことが実現されて
   いることを、確認することが重要です。
  ■ この測定は、バリデーションでは稼働時適格性の確認[OQ]と
    呼ばれ、インキュベータを使った作業の品質を守るために
    大変重要なことです。
  ⇒ 当社では、
    稼働時適格性[OQ]検証項目の決定~フィールドでの検証作業~
    報告書の作成までの一連のバリデーション作業を支援しています。