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No.68 オートクレーブの温度変化(プレバキューム有り、実測結果)

今回は、当社がオートクレーブで実際に測定した被滅菌物(不織布)の温度データを
その一例としてご紹介します。


1.温度測定の方法

1.1 測定条件
 ●オートクレーブ (真空ポンプ付き)
  ・設定温度     :122℃
  ・プレバキューム :2回  ・・・昇温中に2回真空排気する。
 ●滅菌対象物
  ・滅菌缶に入れた不織布(約150×150×100(mm))
  ・上記滅菌缶を 計4個 設置する。
 ●温度センサの設置場所
  ・合計 2箇所
    ・オートクレーブの缶内面に1箇所
    ・滅菌缶の中心付近に1箇所
1.2 温度センサの設置位置
HP6801.jpg
1.3 測定システムのイメージ
HP6802.jpg

2.測定した結果(被滅菌物の温度上昇)

HP6804.jpg

3.上記の結果からいえることは

 ◇ 加圧/真空を繰り返すことで、「不織布の内部」と「缶体内面」の温度差が
   少なくなることが分かります。
   □ 1回目の加圧/真空操作では、温度差が『43℃→4.4 ℃』と大幅に接近。
   □ 2回目の加圧/真空操作で、温度差が『4.4 ℃→0.1℃』とほぼ同じ温度に。
  ■ この様に、加圧/真空して蒸気の脈動を繰り返すことで、温度の上昇を妨げる
   不織布内部の空気が排出→蒸気に置換され、昇温時の温度差が小さくなって
   くると考えられます。
 ● 実際には、滅菌する対象や運転の条件により温度の状況は異なります。
  オートクレーブでは使用時の条件(負荷物の量、内容等)で検証しておくことが、
  使用時の滅菌状態の保証で重要になります。


▼関連「装置の実験データ」はこちら
 No.61 オートクレーブでの熱浸透測定(実測結果)
 No.32 オートクレーブでの熱浸透測定(実測結果)
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