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No.55 測温抵抗体センサーを交換すると誤差が大きくなるケース

[誤差が大きくなるケース]
 古い規格のセンサー[JPt100]が不良になったので、新しい規格のセンサー
 [Pt100]に交換した。
 → その場合にどのような誤差が出てくるのか測定してみました。
JPt100,Pt100
1. 測定の方法
1.1 測定に用いた温度計
    ・型式      : DR230 (横河電機製)
               ※モノは記録計ですが、指示部を使います。
    ・測定レンジ  : 測温抵抗体入力 (JPt100) ・・・古いセンサーの規格
               -100.0~500.0℃
1.2 測定方法
測定は以下の方法にて実施しました。
    ① 6ダイヤル抵抗器※を温度計(DR230)に接続する。
    ② 検査点の温度に応じて6ダイヤル抵抗器を操作し、指示値を読み取る。
      ※新しい規格の温度センサ[Pt100]の出力を模擬的に発生させる
 【検査点】
   -100 / 0 / 100 / 200 / 300 / 400 / 500(℃)
   ※新しい規格のセンサー[Pt100]の各温度に対応する抵抗値を入力する。
1.3 測定のイメージ
JPtとPt
2. 測定した結果
2.1 測定温度に対する表示温度のグラフ
     オレンジの線が今回の測定結果で、青の点線が温度計の測定レンジに
     あった入力(JPt100)の場合の結果(基準)です。
Pt100ΩとJPt100Ω
   基準との差異をグラフに表すと以下のようになります。
2.2 測定温度ごとの誤差のグラフ
Pt100とJPt100の差異(誤差)
[測定した結果から]
  ① 誤差は0℃時にはゼロ、ですが、温度が上下すると直線的に
    どんどん誤差が大きくなりました。
  ② 測温抵抗体は、精度良く測定したい目的でよく使われていますが、
    こんなに誤差が大きいようでは製品への影響が心配です。


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