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No.40 環境の変動による温度表示への影響(熱電対入力の場合)

■IQシリーズ■ ~IQの段階での問題について~
チョット特殊な例ですが、メーカが保証している使用温度範囲内での急激な温度変化による温度計(熱電対入力)の、指示値への影響について測定したデータをご紹介します。


1.測定の方法

1.1 測定に用いた温度計
HP4050.jpg
・型式 : SDC20 (山武 製)
     (電流(4-20mA)出力付き)
・測定レンジ : 熱電対入力(Type:T)
         0.0~150.0 (℃)
・動作条件 : 0~50℃
   (写真はアズビル(株)様のHPより引用)


1.2 測定条件
測定は以下の条件にて実施しました。
 ① 温度センサ(熱電対 Type:T)の出力を模擬的に発生させる機器を
   温度計(SDC20)に接続する。
 ② 温度計を恒温槽の内部に設置する。
 ③ 温度計の電流出力を記録計に接続する。
   (温度計の指示値が恒温槽の外側から見えないのと、恒温槽内の温度
    データ収集の為)
 ④ 恒温槽を〔20℃〕で運転、温度が安定した後に設定値を〔40℃〕に変更し、
   温度計の測定値の変化を確認する。
 ⑤ その後、恒温槽が〔40℃〕で安定した後に設定値を〔20℃〕に変更し、温度計の
   測定値の変化を確認する。
   (1.3 測定システムのイメージ参照)
 【 検査点 】
  ・温度 : 20℃→40℃に変化させる
        40℃→20℃に変化させる
1.3 測定システムのイメージ
測定の状況を図で表すと以下のようになります。
HP4003.jpg

2.測定した結果

2.1 測定データのグラフ
まずは、温度計周辺の温度(恒温槽の温度)を20℃→40℃に上げたときのグラフです。
HP4001.jpg
次に、温度計周辺の温度(恒温槽の温度)を40℃→20℃に下げたときのグラフです。
HP4002.jpg
2.3 結果を纏めると
 ■ 温度計(熱電対入力)は、急激な周辺温度の変化に対して、指示値が変化する。
 ■ 指示値の変化は、今回のケースでは30分ほどで落ち着いた。


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