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No.35 マノスターゲージの取付姿勢によるゼロ点の変化

マノスターゲージ(差圧計)の取付姿勢によるゼロ点の変化について測定したデータをご紹介します。


1.差圧測定の方法

1.1 測定に用いたマノスターゲージ(差圧計)
  ・型式    : WO81 (山本電機製作所製)
  ・測定レンジ : ±1000 (Pa)
  ・精度    : ±1.5% (30Pa)
  ・標準の取付姿勢 : -20度~100度 (水平を0度とした時)
  HP3581.jpg
1.2 測定条件
測定は以下の条件にて実施しました。
 ●取付姿勢によるゼロ点の変化の測定
  ・マノスターゲージの0度(水平)を基準(0Pa)として、各角度での指示を測定する
  ・マノスターゲージ(差圧計)の取付姿勢
   : 0度(水平) / 45度 / 90度(垂直) / 135度 / 180度(下向き水平)
     ※取付姿勢による影響を見るため、測定するマノスターゲージの標準の
      取付姿勢以外の角度も測定します。
HP3584.jpg

2.測定した結果 

2.1 取付姿勢によるゼロ点の変化の測定
測定結果の一覧と誤差のグラフを以下に示します。
HP3588.jpg
2.2 上記の結果を纏めると
 □ 取付姿勢によるゼロ点のズレは最大3.9%であった
HP3589.jpg
ゼロ点の指示が変化する理由
 マノスターゲージのダイアフラム(受圧部)は右図のようになっています。
 その為、取付姿勢によりかかる重力による変位がリンク機構を通して指針に伝わり、指示が変化したと考えます。
(図はメーカ資料より。見やすさの為一部編集しています)

3.マノスターゲージの正しい使い方

 □ メーカ指定の取付姿勢(角度)で取り付ける
   ⇒ 発注時に指定が必要な場合もあります
 □ ゼロ点を合わせる
   ⇒ 取付姿勢によるズレを直す必要があります


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  No.36 マノスターゲージの取付姿勢による誤差
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