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原薬製造におけるバリデーション実務のサポート

原薬製造とバリデーション

その品質を保証するために重要な各装置についてバリデーション実施しなければならないと要求しています。

この原薬GMPガイドラインでは
「中間体・原薬の生産に対して適切なGMPを適用すること。GMPには、原薬の品質に影響すると判断される重要工程のバリデーションが含まれる。」と規定されています。
従って、実際の原薬製造の現場では、この重要工程のバリデーションを確実に行う必要があります。

では、原薬製造におけるバリデーションは何を実施したら良いかをもう少し詳しく規格要求を見てみます。

原薬製造で求められているバリデーションで実施すること

原薬GMPガイドラインの規格要求をもう少し詳しく見てみると、バリデーションの実施では、大きく4つのことを実施することを求めらています。

  1. 1.適格性評価
     ①設計時適格性評価(DQ)
     ②設備据付時適格性評価(IQ)
     ③運転時適格性評価(OQ)
     ④性能適格性評価(PQ)
  2. 2.プロセスバリデーション(PV)
  3. 3.洗浄バリデーション
  4. 4.分析法のバリデーション

そして、このバリデーションの実施には、バリデーション実施計画書を作成することも求めています。

実際の現場では、この4つのことを現場でキチンと実施する必要がありますが、この規格要求を読んで、理解して、現場で具体的にどのように実施していったらよいかを明確にするのは相当大変な作業だと容易に想像できると考えます。

現場でバリデーションを実施するには、規格要求を読み解くことが重要です

実際の現場で規格要求をキチンと実現するにはどうすればよいのでしょうか。
それは、それぞれの規格要求を読み解き実施レベルまで落とし込む必要があります。
例えば、適格性評価の④性能適格性評価(PQ)では…

「設備及びそれに付随する補助装置及びシステムが、承認された製造方法及び規格に基づき、効果的かつ再現性よく機能できることを確認し文書化すること」

…と要求しています。
たったこの二行から、現場でどのように実施するかを決める読み解きが重要になります。
どこも開示していない、当社ならではの読み解き方の1つをご紹介します。

性能適格性評価(PQ)の読み解き方

適格性評価の④性能適格性評価(PQ)の要求内容

設備及びそれに付随する補助装置及びシステムが、承認された製造方法及び規格に基づき効果的かつ再現性よく機能できることを確認し文書化すること

ここで注目する言葉は、「設備及びそれに付随する補助装置及びシステム」「承認された製造方法及び規格に基づき」「効果的かつ再現性よく機能できること」の3つの言葉になります。この言葉に注目してそれぞれを読み解いていきます。

性能適確性評価(PQ)にある「設備及びそれに付随する補助装置及びシステム」とは何でしょう。

PQでは適格性評価の対象として「設備」「それに付随する補助装置」「システム」の3つのものが該当します。
例えば滅菌を目的とした工程の場合、滅菌器自体が「設備」となり、その滅菌器に滅菌状況をモニタリングできる監視システムが付いている様な場合は、それが「システム」となることはお解りになると思います。
では「付随する補助装置」とは何でしょうか?

補助装置とは、その設備、システムがキチンと動作を行う様にサポートするためのものになります。
前工程からの製品の秤量を計る装置や数をカウントする装置(これら設備をハードとすると)、また設備の操作手順や製品の製造手順なども含めたソフト的なものも、設備の動作をサポートするための補助設備に該当すると考えます。

つまり、性能適確性評価(PQ)での対象は、その設備の働きをサポートしている装置やシステムなどのハード面と捜査手順・製造手順などのソフト面も含め、実生産の時と同じ条件で使用する設備全体のことであると考えます。

性能適確性評価(PQ)にある「承認された製造方法及び規格に基づき」とは何でしょう。

PQでは「承認された製造方法及び規格に基づき」装置が機能できることを確認しなさいと要求しています。

「承認された製造方法及び規格」とは、「誰から」承認された製造方法及び規格なのかというところがポイントになります。
ここはGMP事例集に同じ様なQ&Aがあり、事例集にはバリデーション実施計画書で定められ、品質部門で承認された製造方法及び規格のことと記載があります。
つまり、社内の品質部門で承認された製造の手順や決まりと考えれば良いと思います。

また、この「製造方法及び規格」という言葉から、性能適確性評価(PQ)では、前述しました製造に関するソフト面の確認も重要な項目であることがわかります。

次に、性能適確性評価(PQ)にある「効果的かつ再現性よく機能できること」とは何を示すのでしょう。

PQでは「効果的かつ再現性よく機能できること」で、様々な状況でもキチンと生産ができるかを確認します。

「効果的かつ再現性よく機能できること」とは、想定される様々な生産状況で、通常の生産方法を用いて、安定した品質の製品を繰り返し生産できるかどうか。またその様な機能を設備が持っているかどうかを確認することとなります。
実生産の時には、製品を最少ロットで生産する時や、最大ロットで生産をしなければならない状況があると思います。
PQでは、その様な状況を想定して、継続して安定した品質の製品を生産できることを確認すれば良いと考えます。

先ほども例に出した滅菌工程で考えると、少ない滅菌物のパターンと目一杯滅菌物を入れたパターンで、どちらも安定して滅菌出来ているか、何度か繰り返しても同じように滅菌できているか確認することになります。

このように、性能適格性の評価(PQ)を読み解くと、PQでは「設備、システム又は装置全体を製造方法・手順なども含め、実生産を想定し安定した生産ができること」を確認すれば良いということになります。

ここでは、原薬GMPガイドラインの「1.適格性評価」にある④性能適格性評価(PQ)を記しましたが、実際には1.~4.までのバリデーションの要求をキチンと読み解く必要があります。

しかし、この読み解きによって、現場で何をどの様に実施していくかがはっきりしてきても、実際に実施しようとすると様々な課題が生ずることが多くて悩みに尽きないと考えます。

バリデーション実務の悩み事の解決策 →

原薬製造の製造現場でのバリデーションの実務には多くの悩み事があります

原薬製造の現場でバリデーションを実際に実施する時には多くの悩み事があると思います。

原薬GMPガイドラインが要求するバリデーション作業の具体化策に不安がある

ガイドラインでは、バリデーションとして「適格性の評価を実施しなさい」とか「プロセスバリデーションを実施しなさい」等、具体的に何をどの様に実施したら良いか分からないため、実際バリデーションを現場で進めようとすると、多くの悩み事が生まれてくると考えられます。

バリデーションの知識・技能に不得手な部分があるため、全体の作業品質がアップしない

原薬・中間体を製造する設備・装置は、「培養設備」「重合設備」など多種多様な設備が使われています。
これらすべての設備のバリデーションを実施しようとすると数限りない知識や経験が必要と思います。
知識不足な設備のバリデーションは実施レベルが低くなることも考えられ、全てのバリデーションを高品質に実施するには限りがあると考えられれます。

バリデーションを理解し、バリデーション作業が出来る人材が限られている

バリデーションを実施するには、作業に関わることだけでも、計画書を作成したり、キャリブレーションを行ったり、DQ・IQ・OQ・PQの適格性評価を実施しなければなりません。
それらの作業を現場で確実に実施するには多くの知識が必要になり、多くの人材を育成できないことは容易に想像できます。そのため、どうしても人材が限られてしまいます。

特定の担当者に作業の負担が偏って、残業時間が増加してしまう

原薬・中間体などを製造する現場では、予測的なバリデーション、定期的なバリデーションや変更時のバリデーションなどを実施しなければ生産が開始できません。当然、限られた人材で作業を実施しようとすると、偏りや残業時間の増加などが発生してしまいます。

バリデーションを委託できる専門企業がない

バリデーションを外部に委託しようとしても、色々な設備や装置などを専門的に実施している企業はなかなか見つからないのが現状と思います。

等々の悩み事があると思います。

現場でバリデーションを担当する当社にも、このような様々な悩み事の相談を受けることがありますのでこれらの悩み事はどのような原因や背景で発生しているか考えてみました。

バリデーション実務での悩み事の原因

会社それぞれに環境や状況は当然違いますが、これらの悩み事が生じる原因を想定すると

バリデーション実務の知識不足

原薬製造で現場視点でのバリデーションの実務知識をを知りたいと思っても、適当な教育機関や教育本もないのが現状で、自社のバリデーションの進め方が分からない。進め方に不安が残る。

バリデーションの作業に関しての技術不足

バリデーション作業に必要な技術は、電気・物理や計装など結構多くの技術が必要で全ての技術を習得することが難しい。

人材不足

医薬品を製造するにはバリデーションが必要だが、直接、生産する作業でないため、最低限の人材でしか確保できない。

管理不足

人材不足の状況で業務をこなすために残業となるが、特定の人に負担の偏りが生じる。それを解消できる対策がない。

が主な原因でないかと考えます。

まとめ:原薬製造における悩み事(関心事)と原因(背景)

原薬製造における悩み事(関心事)と原因(背景)のまとめ

悩み事(関心事) 原因(背景)
GMPが要求するバリデーション作業の具体化策に不安がある。 〈技術不足〉
作業に確信が持てない
バリデーションの知識・技能に不得手な部分があるため、全体の作業品質がアップしない。 〈知識不足〉
どこで勉強して良いか分からない
バリデーションを理解し、バリデーション作業が出来る人材がかぎられている 〈人材不足〉
本業で無いため専任させれない
特定の担当者に作業の負担が偏って、残業時間が増加してしまう 〈管理不足〉
残業を少なくする対策が無い
バリデーションを委託できる専門企業が欲しい。 〈技術不足〉〈人材不足〉
専門企業が探せない

提案:悩み事解決策

これらの悩みごとを現場に寄り添ってきたから当社だから提案できる解決策があります。

解決策はバリデーション実務の「外部委託」をお勧めしますので、原因解決のために外部委託を検討されてはいかがでしょうか。

ただし、バリデーション実務の結果が第三者を納得させられるかが重要になります。

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