バリデーション関連業務のエヌケイエス株式会社

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第391号 扉の開閉で冷蔵保管品はどんな変化をするか?

冷蔵庫の扉の開閉で、保管物自体の温度が変わることは知られていますが・・・

冷蔵庫や保管庫には多量の製品やサンプルを保管されていると思います。

□ これらの保管物の温度は
扉を開けっ放しにすると庫内の温度が変化して、保存物自体の温度も変わることは感覚的には知っています。

しかし、多くの人は、扉の開閉時間がどれぐらい影響するか実態を知らずに開け閉めしているのではないでしょうか?

※ そこで、今回は冷蔵庫の扉を開いている時間によって、保管物の温度がどれぐらい変化するか調べてみることにしました。

意外と保管物の温度が上昇することが分りました

この実験は、3種類(水、エチレングリコール、ガラスビーズ)の模擬負荷を冷蔵庫内に設置し、温度が安定したら、扉を所定の時間開放して保管物の温度を測定しました。

□ 模擬負荷とデータロガー
HP38711

※今回の実験では、20mlの水、エチレングリコール、ガラスビーズの3種類の模擬負荷と庫内(空気)の温度変化を測定しました。

□ 使用測定器の仕様
・温度データロガー
 メーカ:T&D / 型式:RTR-502
・温度センサ型式:TR-5106
 (90%応答空気中:80秒、撹拌水中:7秒)

□ 測定状況
 室内の温湿度 :26℃ / 48%rh
 対象設備   :恒温槽 型式:MC-71 タバイ製
         設定温度5℃とし、庫内温度の安定後に扉を開閉します。

□ 扉の開放時間毎の保管物の温度変化
HP39111

※1 保管物が水の温度は開放5分間で、5.2℃→7℃に上昇した
※2 内容物の種類によって、最大0.5℃の上昇する温度に違いがある

□ 測定結果のグラフ
HP39150

HP39151

□ 今回の実験から分かったこと
・扉を5分開けっ放しにすると、水の入った保管物は約2℃も上昇する
・当然ですが、扉の開放時間が長いほど保存物の温度上昇が大きい
・保存物の種類によっても上昇する温度が違う

 5分間開放して温度が上がったのは、
 『水>ガラスビーズ>エチレングリコール』の順番になった

※ 但し、上記の実験は、あくまでも一例で、種々の条件により計測値は異なります。

どんなものを保管するかによっても上昇する温度が変わる!

今回の実験結果で「そうなんだ」と思ったことは、模擬的な保管物の種類によって上昇する温度が違うということです。

扉を開ければ温度が変わるということは直観的に知ってはいたものの保管物の種類によっても変わることは余り意識が向かないと思います。

□ この他に、保管場所や保管量などでも上昇温度は大きく変わると想定できます。

※ このように、結構、いろんな要素が絡み合って温度が変化するのだと思います。

やはり、GMPの適格性評価の実施が重要と再認識しました

GMPのバリデーション基準では、適格性評価としてDQ・IQ・OQ・PQを順次実施することを決めています。

□ その中のPQ(性能適格性評価)では、保管場所、出し入れの時間、保管物の種類などのいろんな要素の絡み合いをまとめて評価することで安心した設備・装置を使用できるんだなーと考えられ、GMP規格が要求している適格性評価を、定義にもとづいて実施する重要性を再認識することができました

※ 当社は、
この様な実験の方法や測定データ等のノウハウで、どんな環境においても、お客様に満足して頂ける作業をお届けする努力を続けています。

最後まで、お読みいただき有難うございました。